□放課後に甘い接吻を【3Z,銀猿】
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「おい

お前こんなとこで何やってんだよ?」


「見つかってしまったらこれまでだわ…。

もう、私を縛るなり調教するなり、

好きなようにすればいいじゃない!!!」




「…バカヤロー。とっとと帰れ」




いつもの放課後。

掃除当番が終わって
国語資料室に戻ってくる銀八先生へのサプライズは、
私、猿飛あやめの日課だった。



今日は
本棚と壁の隙間に隠れてみたんだけど、
どうだったかな。


銀八先生はさして驚いた様子もない。


それどころか、

私はお尻が挟まって
隙間から出られなくなってしまった。





「あ、あの〜〜」



「何だよ」


「この本棚、
どけてもらってもいいかしら?」






「…何おまえ。挟まってんの?」




動かせない首の代わりに、
こちらを覗きこんだ銀八先生を
思いっきり上目遣いで見つめた。







あ。

今の私、かなりイケてるかも。

上目遣いは女の武器って言うし。



なるべく可愛く見えるように、
私はもじもじして先生を見上げた。





「ぶはっ」




顔のひとつやふたつ、
赤らめてくれるかと思ったのに

銀八先生は吹き出した



「自分で入ったのに抜けらんねえの?

つーか

モジモジしてっけど…トイレ我慢してんのか?!」





嗚呼。



だめだ。

色目作戦は全く先生に通じてない。



「こんな乙女が
トイレなんか行く訳ないじゃない!


それとも、
気づいててわざと気づかない振りしてるの?

せ・ん・せ♪」



私はウィンクを送る。


すると、



「……。

あー。

なんか、変なもの挟まってるように見えたけど
やっぱ気のせいかもな〜。

最近疲れてっからな」



私の言葉を(存在も)
完全に無視して、


あろうことか、
銀八先生は本棚を壁のほうに
グイグイ押し始めた。



ひどい。生徒虐待だわ。


でも、

先生のこんな態度が
また私を熱くさせるってことに気付いてないのかしら…


「痛い痛い痛い!

変なものじゃないわよ私!!

早く本棚どけ…」

「失礼しまさァァァ変態国語教師コノヤロー」



せっかく盛り上がってきたところに、
クラス1の問題児、
沖田君が資料室に入ってきた。
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