□Shocking Pink! 【高また/3Z/ややギャグ】
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「晋助先輩っ差し入れッス!!」

「いらねェ」

「あれ、なんか怒ってるッスか?!」

「てめぇにな」

「!!!

あ、あたしが来るのが遅かったからッスね!!

すいません先輩!!」





「……てめぇ、馬鹿だろ」








くよくよ悩むのはやめた。







そんなの性に合わないし、
晋助先輩に気持ちを伝えることのほうが大事だって気付いたから。




悩むのをやめたら

屋上の風はこんなにも気持ちいいし、

先輩だって優しく笑って…



















って、いないじゃん!!!!!!!!!!!
















慌てて周りを見渡す。



晋助先輩はいつの間にか、
はしごの上の給水タンクのほうへ移動していた。






「せんぱーい!!何で…」

「俺に構うんじゃねェ」







あ…。




完全に拒否モード…。








胸がズキンと痛む。




と同時に、

こちらを見向きもしないで
タンクの陰に行ってしまった

一匹狼の後ろ姿に

見惚れてしまう。





そんなこと言ったらまた怒らせるから、


あたしはしばらく梯子の下の壁に

背中を預けて座ってた。







爽やかだったはずの風が、

急に凍てつく木枯らしに変わって

指先の感覚を奪っていく。









あたしだって
本当は

バレンタインに面と向かって
告白したかったよ



でも先輩はあの日に限って
学校をサボった。



モテることを面倒臭がってる先輩が
やりそうなことだ






でも実際、
誰かとデートしてたんだとしたら…?








あたしは
そんな不安を拭い去ることができなかった



だから



あんな箱を下駄箱に潜めるのが精一杯だったんスよ




ラッピングの趣味が悪いこともわかってた





でも






あたしのテーマカラーでもある

ショッキングピンクで




少しでも気付いてほしかった
















今となっては
アレがあたしからだったなんて

とても言い出せないけど。





分かってて
敢えて捨てられたのだとしたら




掘り返して傷つくよりは






その過去ごと葬って

何もなかったことにしてしまう方がマシだもん。
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