桜李*恋爛漫
□心、桜舞う
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ワラビ、ゼンマイの二人組を倒した僕達は、その場を後にしようとしていた。僕はサクラさんを支えながら、ゆっくりと歩きだす。
そして、しばらく歩くと…
「おーい!リー!」
前から、見慣れた人影が走ってくるのが見えた。
「ガイ先生!」
僕はパッと笑顔になる。
ガイ先生の後ろには、テンテンとネジもいた。
「はぁっ、はぁっ」
ガイ先生は息を切らして、僕の前に立つ。そして…
「サクラ…無事だったかっ!」
「はい。リーさんのおかげで助かりました。
ですが、少しチャクラを使い過ぎてしまって…。
あとリーさんも、深傷を負っています。私が少し治療しましたが、完全には回復していないので早く病院に行かないと…」
サクラさんが言い終えると、ガイ先生はうむ、と頷き後ろを振り向いた。
「テンテン!サクラを頼む!」
「はいはい…ほら、リー」
「え、あっはい」
僕は近づいてきたテンテンに、サクラさんを任せつつ
「ガイ先生、敵の二人はあっちで気絶しています。早く火影様に連絡を…」
そう言うと同時、
「バッカモーーンッ!!」
「ぐほぉっ!?」
ガイ先生の熱い拳が僕の頬を直撃し、僕は数メートル飛ばされた。
痛みに思わず涙目になりながら、僕はガイ先生の方を向く。
「リーよ!お前はとんでもない馬鹿だっ!」
ガイ先生はピシャリと言い放つ。
「せ、先生…」
「お前は、俺の指示を聞く前に勝手に行動したな!」
「は、はい…それには深く反省しています」
僕は俯きながら言った。
「もし、敵の奴が超〜強い奴だったらどうしたんだ!?
それに相手は二人だとわかっていたんだぞ!いや…もしかしたら、それ以上だったかもしれん。そこに単独で乗り込むなど、無謀すぎる!
お前だけでなく、サクラにも危険が増えることになるんだぞ!」
「はい…すいません」
小さく答える。
確かにそうだった。実際、何回か危険な目に遭ってしまっている。
守るはずのサクラさんにも、危険な思いをさせてしまった。
深く反省すると共に僕は口を固く結び、拳を握る。
そんな僕を見たガイ先生は、ため息を漏らし
「まぁ…二人共、無事でよかった。それがなによりだな。
リーもサクラも、本当によく頑張った!
そして、リーよ…大切な人を守るために行動したお前は…男の中の男だっ!!」
ニッと歯を輝かせて笑った。その言葉に、僕の目には涙が溢れる。
「ガ…ガイ先生ぇー!!」
「リー!!」
ガシッと力強く抱擁する僕達を、テンテンとサクラさんとネジは遠くで呆れた顔をして見ていた。
「も〜暑苦しいわね!」
「ははは…」
「やってられん」
いつもと変わらない日常。
しかし、そんな何気ない日常にもある変化が訪れたのだった。
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