拍手ありがとうございます!!
*ちょっとした小話*
「今日は、ホットケーキを焼こうと思うんです」
そう言いながらサクラさんは卵や小麦粉、牛乳などの材料を用意している。
「楽しみです!」
僕はわくわくしながら幼い子供のように、ホットケーキの出来上がりを待つ。
ボウルには小麦粉、砂糖牛乳に卵…。
次々と材料が入り、混ぜ合わせるとトロトロとした生地が出来上がっていく。
僕がじっと、食い入るようにその様子を見ていると
突然サクラさんが、くすりと笑った。
「そんなに、珍しいですか」
「いや…なんだか」
お菓子作りって魔法みだいですね。
僕が何の気無しにそう言うと、サクラさんは目を丸くして驚いていた。
材料を混ぜて焼くだけで、あんなに美味しいホットケーキができるなんて。
本当に、魔法みたいだ。
「じゃあ私は、魔法使いですね」
サクラさんは、子供のように無邪気に微笑む。
「では、魔法使いの助手さん。
ちょっと、お願いがあります」
助手とは…僕のことだろうか。
「一緒に生地を焼きましょう、そうすればもっと美味しくなるはずです」
僕は嬉しくなり
「喜んで!」
と、元気よく返事をし
サクラさんの手伝いをすることに。
焼き上がったふわふわのホットケーキは、いつもよりも甘くて
とても、美味しく感じた。
「隠し味は、僕達の“愛”ですね」
「…っ!
リ、リーさん!いきなり何言ってるんですか!」
顔を赤らめるサクラさんを余所に、僕は笑いながらホットケーキを一口頬張る。
優しい甘さが、口いっぱいに広がった。
_