ぬこ日和

□その1
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…今日は一段とついてない


寝坊はするしガムは踏むしで…

それだけじゃない

財布も定期も更には筆箱教科書課題等…

いろんな物を忘れて心がボロボロ


その上居残り勉強もして先生に捕まり掃除もさせられ体が重い


「小野〜、まだ残ってるのか。さっさと帰れよー」

「ぁ、はい…」


さっさと帰れって言われても僕だって早く帰りたいんだよコノヤロウ

と思いつつも掃除を終わらせて大学を出た



僕は小野妹子

ごく普通の大学生

今、マンションで一人暮らしをしてる


「あ"あああああもう!!!イライラするっ!!何で僕はこんなについてないんだ!!!やんなっちゃうよ本当に!!」

腹を立ててバッグを殴るが拳の跡が虚しく残るだけでイライラは相変わらず止まらない


きっとものすごいイライラオーラが出ているのだろう

周りの人は僕から少し遠ざけている




マンションまであと半分のところでイライラは止んだ

今度は悲しみが僕を襲う


「…はぁ…泣きたい気分…」

自分でも今日は情けないくらいダメダメで悔しかった


とぼとぼ歩いていると


「…あれ……?こんなところに建物なんてあったっけ??」
前そこはただの空き地だった

しかし今は『cαt』と書かれた看板にドーム型の白い建物が立派に建っている

「怪しい…大体猫とか怪し過ぎる…」

店の名前がついてるのならまだいい

しかしこの店には名前がなかった

明らかに疑わしいと思うが、一応僕も猫は好きだ

マンションも珍しくペットOKだ

「猫…」


正直言って落ち込んでる時こその癒し、猫が欲しいというのが現状


(猫…でも怪しいし…でも猫…)


迷ったが、買う訳でもないので店に入った




店の中は暗く、左右に沢山のガラスのケースに入った猫がいた


「猫…いすぎ」

「ようこそ」

いきなり声が奥から聞こえた

黒いマントを着た男が闇の黒と同化して顔がよく見えない

「いらっしゃい、お客様。猫が欲しいんだな?」

「は…はあ…」

「1匹500円だ」

Σ「安っ!!」


よく赤字にならないなという本音はさておき…

「どれか1匹選んで」

言われるがままに猫を選ぶ


そこで目についたのは

如何にも大人しい、青い瞳の黒猫

何故かその瞳に魅了して




気づいたらそいつを買っていた


「…あれ、いつの間に家に…」


今いる場所は自分の部屋


さっき買った猫はソファーでのんびりして僕を見てる


「そういえば何かカゴに何か入ってるな…なんだこれ」

カゴに入っていたのはこれまた『cat』と書かれた瓶で、中は錠剤が入ってる

「何でこんな物が入ってるんだ…?」


と思い、しまおうとすると


大人しかった猫が瓶を倒して錠剤が出てしまった

「うわっ何すんだよ!!」

僕は急いで錠剤を瓶に入れる

猫はその錠剤を


「おいっ…!!飲んじゃ駄目だよ!!」

しかしもう猫はゴクンと飲み込み、動きが止まってしまった

その瞬間


猫は一気に


人間になった


「無限に広がる大宇宙!!」


「ひっ…ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁ」

猫だったはずのそいつは、綺麗な黒髪で前髪を女の子みたいな飾りのついたゴムで止めて、全身青ジャージのオッサンになっていた

しかも頭に猫耳と尻にしっぽ


「いやっ怖い誰かあっ」

「ちょっおまっひどくない!?」

逃げようとしたが腕を掴まれ、そのまま押し倒された

「痛っ」

猫は僕の顔にズイッと近づいて言った
「私は聖徳太子だ!!こう見えても偉い摂取だからな!!ちゃんと敬え!!」

「なっ…」

「言うこと聞かないと…」

と言ったその時

太子は



僕にキスをした

「むぐっ…んー!!んー!!」

背中をドンドンと叩くが離さず、むしろ舌まで入れて来た

「んっ…ふ…ぁ…はぁ…」

抵抗して拒否しようとするが太子は許さず完全に太子のペースだ

離れた時、殴ろうとした

でも太子にまた手を掴まれた

「こうするからな」

ニッと笑い、僕から離れた

「さい、あく!!」

ガランとした部屋で一人叫んでた



こうして僕と太子の生活が始まった

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