ぬこ日和

□その3
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昨日は猫を拾い、勉強会をしてめずらしくそして久々に楽しめた

表情には出さないが


で、家に帰った後…



芭蕉さんをそこらへんに放してご飯を作る


塩を取ろうと手を伸ばすと


「…ん?」

見覚えのない瓶を発見した

それは「cat」と書かれた瓶だった

「これ妹子さんの家にあったの…」


実は昨日、妹子さんがお茶を準備している時に発見した物だった

「中は…液体?」


瓶を取るとちゃぷんと中の液体が揺れる


こんなところに置いたら間違えそうだと思い僕の机の上に置いて、調理を再開した


数分経ち、料理を食べようとしたら

芭蕉さんは机の上の瓶を開けていた


「何やってんですか!」

瓶から離そうと頭を掴みグググと引っ張ると

いきなり芭蕉さんは


猫耳を付けた


「じじい…」

「曽良君痛い痛い痛い痛い」

50歳くらいの(加齢臭がしそうな)オッサン(じじい)になった芭蕉さんはジタバタと手を懸命に動かし、頭の痛みを訴えていた


…なんかうるさいので頭を離した

「ヒヒィン!!痛いよ〜っ曽良君痛いから!!」

「僕は芭蕉さんの命を考えて頭を掴んだんですよ。だから僕は何も悪くないです」

「しかも今どさくさに紛れてじじいって言ったよね!?」

「あの可愛かった茶色の猫がいきなりじじいになったんですから。当たり前でしょう」

「チクショーッ!!」


おとなしくて綺麗だった猫の時とは打って変わってすごくうるさいじじいになった芭蕉さんには正直言ってうんざりした

というよりもウザいとかの方が強い




しかし、ウザいからといってここで芭蕉さんをどこか遠くに離したら例え飼い主が誰だろうと…きっと息絶えてしまうだろう


「芭蕉さん」

「え、何?」

名前を呼んで一言言った


「僕は貴方を追放したりはしません。だからずっとここで暮らしてください」

「曽良君…」

「まあ言うこと聞かなかったり馬鹿なことするともれなく断罪チョップしますが」

「えっ何それ怖っ!!」

「芭蕉さんのために考えたチョップです」

「あんまりドゥ…」


そういうと芭蕉さんは笑い、僕に言った

「曽良君ありがとう」

「礼されることなんてまだしてませんよ」

「いいから、ね」

「…」


そのはにかんだ笑顔に何か惹かれるものがあり、ますます手放せなくなった
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