gift/ss*

□満月の夜に
1ページ/4ページ



今年、高校を卒業した妹子は大学に通うために
親元を離れ、独り暮らしをしていた。

独り暮らしを初めてから半年が過ぎた今、妹子には少し変わった悩み事がある。


「ただいまー……」


「遅いぞ!妹子ー!」


「グハッ!」


戸を開けた瞬間部屋から自分の腹に向かって飛び込んできたのは、黒の毛に青い瞳の猫だった。


「太子、声出しちゃだめですよ!」


この猫、太子は猫の姿で有りながら人の言葉を発する事ができる


半年前マンションの前で捨てられていた太子を拾った

しかし、マンションはペット禁止。また、人の言葉を話す猫を外に出すことはできない


「今日はカレーですか、静かにしてくださいね」


「カレー!?よっしやぁあ!」


「静かにしろ!このアワビ!」


これが1人と一匹の奇妙な生活だった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ