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□満月の夜に
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今年、高校を卒業した妹子は大学に通うために
親元を離れ、独り暮らしをしていた。
独り暮らしを初めてから半年が過ぎた今、妹子には少し変わった悩み事がある。
「ただいまー……」
「遅いぞ!妹子ー!」
「グハッ!」
戸を開けた瞬間部屋から自分の腹に向かって飛び込んできたのは、黒の毛に青い瞳の猫だった。
「太子、声出しちゃだめですよ!」
この猫、太子は猫の姿で有りながら人の言葉を発する事ができる
半年前マンションの前で捨てられていた太子を拾った
しかし、マンションはペット禁止。また、人の言葉を話す猫を外に出すことはできない
「今日はカレーですか、静かにしてくださいね」
「カレー!?よっしやぁあ!」
「静かにしろ!このアワビ!」
これが1人と一匹の奇妙な生活だった。