gift/ss
□わからない
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仕事とプライベートを分ける彼は決して、朝廷に事情を運ばない。
私が遊びに行けば、仕事しろと追い出される。
まぁ、それは付き合う前からあったので、あまり思わないが。
そぅ、なんというか、な。
恋人っとわ!もっと甘甘で、ラブラブで、どこいくにもイチャイチャしてるのが普通のはずだ!
なのにアイツときたら、仕事とプライベートキッチリ分けやがって!!
休日になっても、私から行かないと、妹子から来たためしないし!
いつも私から手を出さないとアイツ何もしてこないし!
手を出そうとしたら超鉄壁のガード作りやがって!!
私だってな、イチャイチャしたいし!王道のあーんとかしてほしいし!膝枕+耳掻きとかやってほしいわけよ!次の日の仕事とか忘れて、立てないくらい腰を砕いて「太子、腰が痛くて立てない」って涙目で言わせたいんだ!
私は聖徳太子だぞ!なんで冠位五位の野郎にここまでせにゃならん!妹子のアホ!お芋!イナg「うるせー!」グハッ!
鉄拳を後頭部に食らって五メートルぐらい飛ばされた。
これは痛い。
何って心が。
恋人に手を上げるってお前。
「太子、アンタさっきから声出てましたよ。」
「えっ!いっ妹子!どこから聞いていた!!」
「恋人っとわ!のあたりからです。」
「えっ。」
と、言うことはコイツは私がやりたいと思ってたことを知ったわけで、なんだか恥ずかしくなって、妙に居たたまれない。
いや、実際は妹子が悪いんだ!
私をほったらかしにするから!だから私が不安になるんだ!
だから「太子。」
妹子が私のジャージの裾を掴んで口を開けた
「僕は、何に対しても仕事を中心に考える男です。プライドが高くて付き合いにくいのは理解しています。
それに……」
急に押し黙った妹子。
顔を下に向けているため表情はわからない。
ので、妹子の顔を伺おうと顔を近づけた
ゴンッ!
「っ〜」
近づけたとたんにアイツが頭をあげるものだから妹子の後頭部と私の顎がダイレクトにヒットした
しかし、妹子はそんなのお構いなしに耳まで真っ赤にしていった。
「ぼ、ぼくは!誰かと付き合うのだって初めてで!どうやって接していいかわからないし!それに口下手で、僕からするのは恥ずかしいし!しかも、身分高いし上司だし!僕と付き合ってるってことが朝廷に広まってあんたを困らせないか不安だったんだ!」
必死に訴えてくる妹子の言葉で、私の心はすーっと楽になる。
なんだ、何も心配する必要なんてないじゃないか。
ただ、彼は私と付き合うのにはずかしんで、戸惑って、口下手だからあまり喋れなくて、それでも私の立場を考えてくれて。
私は、こんなにも、愛されてる。
「妹子ーー!」
「ぎゃあああ!抱きつくな!カレー臭い!!」
今はその暴言ですら、いとおしく思える。
あぁ、妹子が恋人でよかったよ。