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□聖夜の贈り物
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12月24日。大抵の人は天皇誕生日の次の日とか大晦日のイブ×7とは言わず、端的にクリスマス・イブと言うだろう。
しかし、残念な事に私、棚旗奈々にとっては、仕事が夜遅くまである平日である。
しかも、年末という事と、先日起きた事件の調査をする事になったタタルさんこと、桑原崇に付き合って残業をせずに仕事をしたツケが回ってきたので、無事正月を迎える為には仕事を片付けるしかないのである。
なんとなしに流していたラジオからは恋人達の愛について語りかけている。
「はぁ………」
なんだか無償に奈々は惨めになった。
ちなみに、原因というか、タタルからは一切連絡はない。
「何やってんだろ」
思わず本音が出た自分に驚く。私もいい加減若いとは言えなくなってきたかもしれない。
どんどんネガティブな思考になってきた頭を振うと、再び仕事に集中した。