溢れるほどの、愛を貴方に
□溢れるほどの、愛を貴方に
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『…ここ、どこ?』
こんにちは。
私は山本 葵です♪
現在私、イタリア旅行に来ております。
並盛商店街の福引で引いてきたんだけど、
イタリア語がさっぱりです。
そして、絶賛迷子中です☆
そんなこんなで冒頭にいたり、
現在あてもなく街をふらふらと歩いています。
私の弟、武が言うには
「銀髪の長い髪の男が知り合いだから、通訳頼んどいたぜ。
姉貴とそいつはココで待ち合わせしてるのな。
迷子になっちゃいけねぇぜ?」
というふうだった。
地図を指差してちゃんと場所を教えて貰ったが、
まず地図をなくしたのでアウト。
もちろん地名なんて聞かずに来てしまったし、
銀の長髪の男の名前だって聞くのを忘れた。
あぁ、なんてついてない日なんだ。
あてもなく歩いていけば、人身売買の男に、
腕をつかまれてしまった。
(何故人身売買の男か分かったか?女の勘だよ、勘。)
あぁ、本当についてない日。
こんなところで命を落としたくもなければ、
人身売買される気だってさらさらない。
だけどこんなところで大好きな刀を使うだなんて。
まぁ、しょうがないか。
迷子になる私が悪いしね。
そして愛刀・燕子花を鞘から抜く。
狙うは相手の頚動脈。
居合いで、素早く、返り血を浴びる暇も無く―――
斬る。