溢れるほどの、愛を貴方に
□溢れるほどの、愛を貴方に
2ページ/2ページ
「う゛ぉぉぉい!凄いじゃねぇかぁ!!
さすがは刀小僧の姉だなぁ!!」
なびく銀髪。鋭い灰の瞳。
幽かな、だけど鋭い殺気。
引き締まった体。
そうか、この人が――
武の言ってた――
そうして私は走り出す。
名前を知らない銀髪さんに。
銀髪さんは何故か腕を広げて待っている。
あぁ、そうか。
普通の女子ならここで急に力が抜けたりして、
か弱く男に倒れこんだり、
こんな風に走って抱きつくものだろう。
・・・・・・
だが、生憎私は普通じゃない。
だから私は腕を広げて待つ銀髪に――
飛び膝蹴りをくらわせた。
「う゛ぉっ!?」
倒れる男に向かって叫ぶ。
『なんでもっと早く来なかったぁぁぁ!!!』
これが銀髪、否、スペルビと私の出会い。