小説

□私の彼はワイルドタイガー
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その指輪を外してくれないことも、楓ちゃんのことも全部受け入れたつもりよ。虎徹が私を好きでいてくれる限り私は彼を愛す。

「…つ!虎徹!起きて」
「うーん、もちっと寝かしてくれ…」

土竜のように布団に潜っていく虎徹を布団ごと足蹴にしてやった。すると寝ぼけ眼でこちらを見る。焦点があってないとこを見るとまだ寝惚けているのだろう

「…お前ね、もう少し可愛い起こし方できないのかよ」
「悪かったな可愛くなっ

隙あり、不意に手を引かれバランスを崩した。虎徹の胸に倒れ込む。そのまま腕を回されてぎゅっと抱き締められた。

「ちょ、離してよ」
「昨晩はあんな可愛かったのに、な」
「なっ…!」
「あーらら、顔真っ赤」

いじわるな顔。耳元で囁かれて顔に熱が集まる。心拍数が急上昇していくのがわかった。

「こっち見んな馬鹿!」
「その顔たまんねー」
「っん」

片手が顔に触れて口付けられた。そのとたん

―ビー ビー

呼び出しの合図。

「うおっ!こんなタイミングでお呼びかよ!ちったあ空気読めってんだ」
「ヒ、ヒーローは休みなしなんでしょ?早く行ってきなさいよ馬鹿虎徹」
「へいへい…この続きは帰ったら、な?」
「はよ出てけー!変態」

私の蹴りをなんなくかわして虎徹は上着を羽織るとアパートを出ていった。
私の彼はワイルドタイガー



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