小説
□バランス
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「どうやったらそんな散らかせるんですか!」
バーナビー愛用のリクライニングチェアを乗っ取って、バーナビーが買ってきたチーズケーキを食べていたら怒声。
「えーそんな散らかってないよ」
ブー垂れながらまたチーズケーキをパクり。バーナビーはまるでお母さんみたいな手際のよさで部屋を片付けていく。
「まったくだらしがないですよ。」
「バーナビー、そんな怒っちゃいやん」
なんて冗談めかして言ったら睨まれた。これにはわたしも少したじろいだ。まるで蛇に睨まれた蛙だ。
「バーナビーが几帳面すぎるんだよ」
「貴女がだらしがないんです!」
一蹴された。食べ終わったチーズケーキの銀紙をゴミ箱に捨てる。
「ねえ」
「なんですか?」
「やっぱなんでもない」
だらしがないわたしと、几帳面なバーナビーなんてお似合いなカップルだと思わない?なんて言ったらまた怒られそうでわたしは口をつぐんだ
(何をニヤニヤしてるんです?)
(ないしょ〜)