小説

□鳳凰院狂真の憂鬱
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―確かに可愛い。
狂気のマッドサエンティスト―鳳凰院狂真こと岡部倫太郎は思う。色白でくりんとした目にふんわりとした髪の毛。メイド服から生える細い手足はまさにスイーツ(笑)といった容姿である。彼女は新しくメイド喫茶「メイクイーン+ニャン2」に入った名無子という子でダルこと―橋田至は彼女にお熱だった。現在岡部は橋田に誘われてメイクイーンにきている。

「名無子タン萌え」
「ありがとにゃん、ダルくん」
「いやあ、その笑顔に乾杯ですな」

にっこりと微笑む名無子に橋田はデレっとはにかむ。その様子に岡部は心底気持ち悪いものを見てしまったと思うが見てみぬふりをして、珈琲を啜る。

「ところでこの前貸してくれたアニメ」
「ああ、見てくれた?」
「すっごくよかったよ」

如何にもスイーツ(笑)に見える名無子だが意外と橋田と気が合うらしい。どうやら彼女はオタクだった。萌えアニメがどうだの、ゲームがどうだの話しているのを岡部は只々聞いている。そして案外この二人はお似合いだと密かに思う。

「ふっ、この狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院狂真―貴様らの低俗な話などには付き合ってられんな。というわけだ、俺は帰るぞダル」
「ちょ、ちょっとオカリン―
「似たもの同士精々仲良くするがいい」

はーっはっはげほげほっ!
岡部は高笑い(途中咽たが)をしながらメイクイーンをあとにした。岡部が帰ってしまったのち橋田と名無子はお見合い状態だったとかそうじゃなかったとか。

(二人の関係を見抜くとは流石狂真ニャ)
(オカリン、優しいねぇ)

―鳳凰院狂真の憂鬱。


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