小説

□死ね、バレンタイン
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「カリーナちゃんこれ!」
「え、これってチョコ…?」
「手作りだよ」
「へぇ…ま、まぁ貰ってあげないこともないけど」
「えへへ、嬉しいな」

2月14日―今日は某お菓子メーカーの戦略によって女子から男子へチョコして告白する日―バレンタインである。彼―バーナビー・ブルックス・Jr.はピリピリしていた。アポロンメディアのデスクには大量のチョコ。現在彼が居るトレーニングルームにもチョコは及んでいる。

「これはパオリンちゃんね!」
「わぁ…ありがと!嬉しいなぁ」

羨ましくない、羨ましくなんか…と思いつつ、ぎりりと下唇をかみ締めるバーナビー。実は彼、ナムコに片思い中だったりする。だが、自分には一向に渡される気配のないチョコレートに苛々もピークだった。

「(チョコを詰まらせて死ねっ!)」
「どうしたよバニーちゃん」
「煩い!貴方には関係ない!」
「な、なんだなんだ?」
「あの、ナムコさん」
「はい?バーナビーさん」
「僕にはチョコは…(チョコが欲しいチョコが欲しいチョ」
「ごめんなさい、私女の子が好きなんです」
「え…」

少し照れた表情でナムコは言った。その顔は可愛い、可愛いがだがそれ以上にバーナビーはショックを受けた。

「う、うそだぁあああああ!!」
「お、おいバニー!!?」

どごぉんと音がしたかと思うと能力発動し、彼は天井を突き抜けていった。一方、まさかのレズ発言を聞いた女子(?)三人のうち二人は引いていたとか引かなかったとか。

―死ね、バレンタイン


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