小説2

□どこだけの話
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ハーイ、イワンを好き過ぎてお隣の引っ越してきてしまった方、ナムコです。ちなみに相方はいません。

「イーワーン、イワンイワン」

敢えてチャイムを押さずにイワンの部屋の前で騒いでたら慌てて彼が出てきて室内に招かれました。

「僕の家の前で騒がないで下さい。ご近所迷惑でしょう?」
「すーまーん」
「反省してませんね…」

その射るような冷たい瞳も私に言わせれば萌えなのだよ。偉い人にはそれがわからんのです。例えば私の上司とか。

「えへへ、イワンのお部屋は何度来ても嬉しいなぁ」
「変なとこ触らないで下さ…って言ってる側から」
「エロ本調査は基本よ!」
「威張らないで下さい!ないですよ!」

ベッドの下を探れば、何故だか大江戸日本昔話が出てきました。流石イワン。

「恥ずかしいから出さないで!」
「恥らうイワンもなかなか…ふへへ」
「だ、大体、何しにきたんです?」
「ああ、そうそう。これ」

引越しそばを渡す。スーパーで買ったんだけどね。手打ちなぞできぬわ。

「これはかたじけないってええ!?」
「何そのええ!?とは…」
「まさか引っ越して来たとか?」
「その通り、愛故、だね」
「はぁ…」
「ヘーイ、もっと喜びたまえよ」

はは、と冷めたように笑ってそれきりイワンは喋らなくなってしまった。これはまさに愛をとりもどせ、ってわけですね。わかります。

(おはよう、イワン)
(ぶはっ、夢じゃなかった…)




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