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以下おまけSS

ジョーカー篇「隣人」

―深夜二時四十分ジャスト。
ドアノブを回す音で目が覚めた。灯りを点し、寝ぼけ眼で玄関へと向かう。相変らずガチャガチャという音は鳴り響いている。段々と意識もはっきりとしてきて、私は音の主に声を掛けた。

「Who…?」

主は答えない。強盗の類?はたまた性質の悪い悪戯か。警戒は解かないままに覗き穴を見る。

「よぉ、お嬢さん」
「ひっ…」

視線がかち合った。その不気味な容貌に喉から笛のような音が鳴り、歯ががたがたと震える。私は勇気を出して、震える声で問い掛けた。

「な、何かご用?」
「恐がることはない。ただの―隣人だ」

次の瞬間、小さな爆発が起きて扉が吹っ飛ぶ。抵抗する間もなく私の意識はとんだ。その後彼女の姿を見る者はいなかったという―。

(あんたは俺のもんだ)






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