短編

□天気屋ピエロ
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 今は中途半田だの半端だの言われてる半田だけど、小学校のことは全く違ったらしい。……あくまで噂だけど。
 成績はいまは平均ちょい上の良いとも悪いとも取れないところをうろちょろ、といったところだけど、小学校の頃は飛びぬけて頭が良い、というところまではなかったらしいけど、クラスで頭が良い人はだれ、となると三番目ぐらいに名前が呼ばれない程度に頭がよかったらしい。
 何よりも変わったのは性格らしい。当時は冷たいにも程があるだろう、と言いたくなるぐらいに冷たい子で、クラスで買っている生き物が死んだときに皆が悲しむ中、その死体を踏み砕いたり、同じクラスの人が死んでも葬式にもでないで、その人の机を供えている花をさしている花瓶ごと壊したり、道で死んでいる犬を踏みつぶしたり、いじめにあって死のうとしてる人をおいつめて死なせたりエトセトラエトセトラ。
 確認しようにも半田と同じ学校だった人は一人もいないらしく、確かめようがない。
 一年生の時に少しだけはやったこのうわさは、今は誰一人、覚えている人などいなかった。
 まあ、今の半田は明るい普通の男子だし、覚えていたとしても誰も信じやしないだろう。

 でもこれが現実、ってもんで。
「半田どうしたんだ?」
「円堂にいじめられた」
「あー、そういう子だからなー」
 ズドンと。某週刊誌の某キャラクターに螺子で壁に縫い付けられたときのように俺の身体が机に縫い付けられる。
「悪趣味だなあ半田。動けなくなった人をいじめつけるのが好きなの?」
「なんかそういう気分になった」
「顔赤く染めてツンデレ口調で言われても可愛くないからな?」
 フッ、と圧迫感が消えて、身体が楽になる。
「つか何がしたかったんだよ?」
「いやあなんか風丸をシャーペンで串刺しにしたい衝動に駆られてさ」
「はいはいわかったから本当のこと言いなさい、多分怒んない」
「いい子演じるの疲れた」
「大丈夫大丈夫、なんとかなるんじゃね?」
 ガラッ、と戸が開いて誰かが入ってくる。
「半田ー? ああここにいたのか、さっきはごめんなー」
 こっちを見ている半田の表情がフッと消える。
「ああ別に気にしてないからいいよ、俺も悪かったしさ」
 いつもの半田の顔と声。さっきまでの狂気はどこにもない。いや、机の上に置いていた俺の右手は青いシャーペンで串刺しになってるから完全に抜け切ったわけじゃないんだろうけど。
 ……というか何なんだろう。串刺しになってる割には痛くない。
 本当にこいつは某週刊誌に出てくるあいつの生まれ変わりか何かなんじゃないだろうか。
「半田……と風丸、後でちゃんと来いよーっ!」
 
「疲れたぁぁ」
「つかなんでここ来たんだよ?」
「風丸が居たから」
 は、
「なんか無性に誰かを刺したくてさ、風丸なら、俺と似てるから良いかな、って」
「なんでお前なんかと一緒にされないといけねえんだよ?」
「だって似てるし」
 半田が俺の顔に手を伸ばしてくる。


「んーやっぱおもしろくねえな」
 結局あの後飽きっぽいのかなんなのか知らないけど、俺をいじめたり甘やかしたり部活に戻ったり俺をいじめたりなんというのを全員に違和感を感じさせることなくひたすら繰り返し、半田はいつも通りの天気屋ピエロに戻って行った。





※さて、うちは何を書きたかったんだろうか
※某週刊誌の某キャラクターがわかったらすご

※きっとそのうち改稿ばんを投稿する


企画:嘘吐き物語に提出しました

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