Truth isn't always correct.

□Truth isn't always correct.  A.F.
1ページ/1ページ

じゃあ明王をお願いします」
そう言って母さんは無表情の銀色と笑顔を張り付けた茶色が持ってきた髪に何かを書きこんで、茶色に渡した。
そのまま俺は茶色に引っ張られ、人目のつかないところまで行くと、一瞬の無重力感が俺を襲い、それが無くなると、今までの人目のないところでは無く、どこかの街が目に入った。
「どこだよ……」
「んー、学園都市」
茶色が軽く返してくる。
「君の今日からの家だよ」

しばらく歩くと大きな建物が見えた。表札には「風丸」の文字。……ん、表札?
「……お前まさかここ家とか言わな……」
「ん、家だよ。ここ」
んじゃあ入るよーっ、の声で大きな建物には似合わない引き戸の(ガラガラガラ、という音付き)ドアを開け、その瞬間、
「不動明王君ね? 初めまして、××紫音ですっ」
何か叫ばれたかと思うと世界が真っ暗になり、呼吸が封じられた。
「……紫音、その子殺したくないなら早く解放したほうがよさそうだぜ?」
別の声。
「わっ、ごめんね?でもシイナ、いくらなんでも抱きしめたぐらいで死ぬわけ無いよ」
いや、俺は死にかけたんだが。
「……シイナ? 誰か来たの? なんかビビビ、って来た気がするんだけど」
今度は緑が来た。
「うん、新しい家族だぜ」





ずらっとこの施設(家だとは思えない)であずかっているのであろう人が並んでいた。
右から青、赤、白、緑、オレンジ、青、水色、金、銀。
「右からウル姉、晴ちゃん、ふーちゃん、みどちゃん、れあちゃん、くらら、いーちゃん、てるみん、佐久ちゃん。分かった?」
茶色が指で指しながら名前を言っていく。
何で高確率で〜ちゃんなんだ。
名前の想像つくのは くらら と てるみん ぐらいだし。
さっき いーちゃん と紹介されていた水色が口を開く。
「まあ、訳すとしたら右から八神玲名、南雲晴矢、涼野風介、緑川リュウジ、倉掛クララ、亜風炉照美、佐久間次郎、そしてあいつがシイナ・アルデナ、俺は風丸一郎太、んであいつがしおん」
……ああ、苗字の最初をとっているのか。晴ちゃん、ふーちゃん、いーちゃんだけは名前の最初を。
「……不動明王」
「うん、           、不動ちゃん」
…………? まあ、よろしく、とかそこらへんのことを言ったのだろう。
「ああ」









そこから進んだ道は(いや、道と呼べるほどのものでもないが)そこらへんの転校生と同じだろう。
学校の敷地に入ったとたん、化け物でも見るような視線を受け、職員室へいくのに迷……うことは無かったが(どうもしーちゃんといーちゃん以外は皆同じ学校らしい。案内してもらった)それ以外は同じだろう。教室に入ったとたんに皆からの視線を浴び、教室の隅にある落書きも傷も無いきれいな席に座り、質問攻めに会い、ああもう面倒くさい、窓から逃げようかと思った。




長かった。本当に長かった。借金の取り立てよりもしつこかったかもしれない。
「……紫音、飯ぃ」
「駄目よ、シイナがまだだし……一郎太、何か聞いてない?」
風丸が何でそんなこと言うんだ、という顔をする
「……紫音、いや、気づけよ……紫音らしくねえ」
「……え?」
「よく考えてみろ、しーちゃんいつもよりメニュー気にしてたし、買って来た物も気にしてただろ? なら簡単だ」
「紫音、ちょっとっ」
どこかからシイナの声が飛んでくる。
今日の夕飯のデザートは、         だった。













**************************************
ちなみに転校したこと無いからそういうの分からん

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ