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  それから長い時間をかけて
 考え、私たちはベックを追う
 ことにした。グラブスが作っ
 たまどをくぐりぬけ、いつも
 のデモナータのオアシスへと
 たどり着いた。

  カーネルが目を作り始めす
 こし経ったときだ。狼人間の
 一匹が呻き声をあげふらふら
 としだしたのだ。そして分か
 ったのはベックがその狼人間
 に取り付いたことだった。ベ
 ックとグラブスが長く会話を
 交わし、灰色のまどが、開い
 た。


 「カーネルは私が援護するわ」

 「目が出来るまで、頼む」

 「お前がいるなら俺たちは気
 にせず行くぞ」


  悪魔がどっと流れ込んでく
 るこの景色はもう何度も見て
 きた。気持ち悪い。すると悪
 魔が悪魔を泉へと投げ飛ばし
 た。それでも襲ってくる悪魔
 は減りそうにない。魔力の玉
 を投げつけ焼き払う。
 泉がふるえた。
 その泉はゆらめき少しずつ近
 付いてくる。私達はグラブス
 の周りに集まりその泉を眺め
 た。数々の魔術を使ってみる
 が泉の悪魔には何も効かない
 。私とグラブスは大声で悪態
 をついた。


 「さて、どうする、かしこい
 りっぱなリーダーさんよ?」


  シャークがこの状況を楽し
 むように言った。


 「おい、カーネル目はできた
 か?」

 「もうちょっとかかる」

 「なんでそんなに時間がかか
 るんだよ?」

 「うるさい!」

 「まあ、目を奪ったのアンタ
 だしねグラブスくん?」


  少しばつが悪そうな顔をし
 たグラブスは、何かひらめい
 たようにぱっと顔をあげ「つ
 いてこい!」と叫び走り出し
 た。冗談だろ!と叫ぶシャー
 クに、私はカーネルの手を引
 き、そのまどへと飛び込んだ
 。蜘蛛の巣だらけのそこは、
 私の背筋を凍らせるのには充
 分だった。


 「ほんと、ロード・ロスって
 悪趣味、私蜘蛛大嫌いなのよ」





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