Dmnt

□5
1ページ/4ページ






  まどをくぐり、プレイと会
 い、私達はすぐに戦場へと加
 わった。悪魔をなぎ倒し、葬
 る。カーネルは精霊という希
 望を失ってからずっと戦いに
 明け暮れている。

  それからあるトンネルと出
 会ったが、私達は更に大きい
 トンネルが開くのを待つこと
 にした。

  私はカーネル、キリリーと
 ともに魔術同盟のメンバーと
 魔術使いからなる軍隊を組織
 することになった。飲み込み
 が早いやつもいれば遅いやつ
 もいる。でも私たちは一刻も
 早くこの人たちを立派な軍隊
 へと成長させなければならな
 い。巨大なトンネルがいつあ
 いてもいいように。


 「…まどがあく」

 「いよいよ、ね。グラブスに
 知らせてきなさいよ」

 「そうする。軍隊呼んでおい
 てくれよ」
 
 「了解しました、カーネル隊
 長」


  恐らくこの戦いが最後にな
 るのであろう。勝敗は分から
 ないけど、私達は全力をつく
 すまでだ。カーネルがまどを
 作った。私達はそれをくぐり
 ぬけ、海岸へとでた。大気中
 の魔力が高まってくるのがわ
 かってきた。デモナータにい
 るときと同じくらいの魔力が
 いま、ここにある。


 「おい、グラブス、あくぞ」


  カーネルが言い放つ。


 「どうやってどうくつにいく
 ?」

 「海面の下に横あながある。
 海に飛び込んで、泳いでいこ
 う」

 「そんなばかな、敵の巣には
 、どうどうと乗り込んでいく
 ものだ。泳いでは行かない」

 「じゃあ、もっといい案があ
 るのかよ?」


  カーネルは冷たく言い放つ
 。グラブスはにやりとして、
 片手を挙げ、下の海に向かっ
 て合図した。と、海が泡だち
 、ジュージューと音を立て始
 めた。波がふた手に分かれ、
 一本の道がひらけた。聳え立
 つ水の壁にはさまれて、崖の
 ふもとから乾いた地面が伸び
 ている。


 「お楽しみは、これからだ」


  グラブスはそう言うなり、
 片方の手でがけを指差した。
 ゴロゴロという低い音ととも
 に、五十メートルほど右の地
 点で、一枚のぶ厚い岩の板が
 かべから飛びだして、幅十メ
 ートル、奥行き五メートル、
 厚さ五十センチほどの踏み段
 となった。さらにグラブスが
 指を曲げると、その下の壁か
 ら板状の岩がまた飛び出した
 。さらにつぎつぎと岩が飛び
 出し、あれよあれよという間
 に、海底まで続く階段ができ
 あがった。

 
 「やるじゃん、グラブス!」


  私が言うと同時にグラブス
 は崖からジャンプし、数メー
 トル下の踏み段に飛び乗った
 。「さあ、急げ!ユキメノコ
 より後におりてくるやつはク
 ズだ!」その発言にみんなし
 て笑い、私は周りに満ちてる
 魔力を取り入れながら走り出
 し、グラブスの隣まで全力疾
 走した。横あなまで来て、立
 ち止まった。


 「ひとこと、演説するか?」


  カーネルが呟いて、グラブ
 スは肩をすくめ、言った。


「悪魔どもをやっちまおうぜ!」





次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ