Dmnt

□一対二でも
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  この事件が起きたのは結果
 的には私のせい。いつものよ
 うにカーネルと学校へ行き、
 いつものようにカーネルと家
 へ帰る。何の変わりもない、
 そんな日々を過ごしていたら
 1人の女の子が話がある。と
 言い私は彼女と長い階段を登
 り、人気のない踊り場で話を
 始めた。


 「あなた、カーネルくんとど
 んな関係なの?」


  彼女の目がぎらぎらとして
 いるところから、この子はカ
 ーネルに想いを寄せているの
 が分かった。


 「ただの幼馴染みよ」

 「嘘よ、あなたとカーネルく
 んは付き合ってるって!」

 「そんなのただの噂でしょ、
 私とカーネルは幼馴染み。そ
 れ以外の何者でもないのよ」

 「うそつき」


  彼女の雰囲気が変わった。
 まずい、直感的に悟った私は
 辺りを見回す。外に出られる
 のは窓から飛び降りるか、階
 段を下るか。階段より窓がは
 るかに楽しそうだがさすがの
 私でも5階から飛び降りたな
 らば死ぬだろう。死ぬのはや
 はり避けたい。


 「もう、話はないわね」


  階段へ足をかけた。彼女は
 動かない。今だ!と思い階段
 を駆け下りた。すると待って
 いたかのように、さっきまで
 話してた女の子とは、また違
 う女の子が現れ、行く手を塞
 いだ。


 「邪魔よ」


  目の前の女の子を押し退け
 更に進もうとしたけれど、後
 ろで誰かに腕を掴まれ身動き
 が取れなくなった。身を捩っ
 て後ろを睨み付ければさっき
 まで話してた女の子だ。


 「2対1は卑怯よ」


  にやりと嫌な笑みを浮かべ
 彼女は言った。


 「この階段、長いのよ」


  まさか!と思ったときには
 既に遅く。掴まれていた腕は
 解放され、突き飛ばされた。
 
 ほら、私のせい。私が彼女を
 傷つけたに違いない。自業自
 得ってやつね、自虐的に笑み
 を溢し意識を手放した。





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