Long

□dream away
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宿屋で同部屋になることはあっても、アルヴィンはその部屋にとどまっていることはめったにない。
夜遅くまで、外に出かけていくことが多くなった。


(告白なんかしなければ良かった)


ぐるぐると後悔の念がジュードの中で渦巻いていた。
アルヴィンは表面上は普通に接してくれる。
あの告白などなかったように。
ジュードにはそれが自分の恋心を否定されているように思えた。
触れた時に拒絶されてしまったのがいい例だ。


(男に告白されても、気持ち悪いだけだよね・・・・、)


明らかに会話が少ないことに一時期仲間たちが心配してくれたが、今は何も言わないでいてくれる。
ありがたいな、とジュードは思う。
本をめくる。


アルヴィンにもらった赤いヘアピンは、ジュードの髪を止めている。
告白して振られるまで、学園衣装の時には必ずといっていいほど付けていたそれ。
しかしなんとなく気まずくて、夜の勉強している間にだけジュードはヘアピンを付けていた。
アルヴィンにもらった大切なヘアピン。


「・・・・」


考え事をしながら読書するものではない。
内容などちっとも入ってこない。



ジュードは本を閉じてベッドに横になった。



期待などしなければ良かった。
拒絶されたジュードのアルヴィンへの想いはいまもなお健在し、存在を主張している。
早く諦めなければならないのに、この想いは簡単に言うことを聞いてくれそうにない。


今日はミラとローエンと一緒に飲みに行っているはずだ。
知らない女の人の元へと行ってないのがこんなにも嬉しい。


窓から見える空はもう既に真っ暗だ。
降り出した雨にアルヴィンたちは濡れてないだろうかと心配しながらジュードは目を閉じた。



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