TOX

□降るワインは突然に
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ジュードたちはハ・ミルにやってきた。
途中の小屋に入る。
「ここで、軟禁されていたのか・・・。」
「はい。」
「どれくらい軟禁されていたんだ?」
「わかんなーい。みじかかったよーな、ながかったよーな。」
「?ミラ、何してんの?」
「お・・、この樽の中身、ワインじゃねーか。」
「めがまわるんだよー、これ。」
「ちょっ・・・ミラ、どうして飲んでるの。」

ジュードがミラを止めようとしたが、どうやら遅かったようだ。

「え・・・、ひっく。私が、これくらい・・で、ひっく・・」
「ミラ、これ大丈夫じゃ・・ないよね?」
「全然・・・ひっく、酔う・・など・・ひっく、と・・・・・ひっく」
「完全に酔っぱらってます・・・。」
「ミラ様に意外な弱点ってか・・・。強そうなのに。」
「そういう問題?ああ、もう。」

おぼつかない足取りでふらふらしている。
ジュードは支えようとミラの腕を肩に回そうとした。

・・・だが、腕をつかんだはいいもののミラはふらつき樽の棚の方へ倒れこんでしまった。

ガタンっ・・ガラガラガラ・・・。

「っ!ミラ!」
「ジュード君、ミラ君危ない!!」

がしゃん。

「やっと、おさまったか。おーい大丈夫か〜?」

ミラをジュードはかばったのだろう。だが怪我はなさそうだ。

「ワインでびしゃびしゃだな・・・。すげぇな、この樽の中身全部上物かよ。」
「めがまわるねー。」
「大丈夫、ティポ?ミラとジュードは・・・?」
「大丈夫そうだが気を失っている。おーい、ジュード君?」

ペチペチと頬を叩いてみる。

「う・・・、」
「お、気が付いたか。」
「・・・・・。」

どこか、ぼーっとしているジュード。
酔ったのかもしれない。まだ子供だし、このワインはアルコール度数が高い。

「アル・・・ヴィン?」
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