TOX

□片恋通行
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痛い、





痛い、







苦しい、







片恋通行








「っぁ・・・・・、ぁぁ」

アルヴィンが僕の中心に手を触れ、扱く。


アルヴィンはどうして僕を抱くのだろう?
いつからこのような関係になったかなんて覚えていない。
いつからかアルヴィンは僕を抱くようになった。



どうして?



その疑問は声になることはなくただ虚しく吐息となって消えていく。
部屋に存在するのは、宿屋のベッドのきしむ音、僕の嬌声、アルヴィンの息遣いだけ。
世界がここだけ切り取られたかのような静寂。

「ふっ・・・・っん・・・・、・・」

アルヴィンの指が僕の中に入ってくる。
一本、二本、行為に慣らされた後ろは容易に指を飲み込んでいく。


いつも、体位は後ろから。
アルヴィンの顔なんて見たことない。
アルヴィンはそうする。
でも僕もどんな顔してるかなんて見たくない。
だって、きっと僕のことなんて見ていないから。
きっとあの鳶色の瞳に僕は写っていない。

「ん・・・・っぅ・・・、くぅ・・・・」

指が僕の前立腺を掠める。
シーツを掴んで、耐えてベッドに口を押さえつけて声を殺す。
だって僕の声なんて聴きたくないでしょ?
女の子みたいに喘いでいる僕の声なんか。
アルヴィンが求めてるのは女性のあの人なんだから。

アルヴィンは気付いてない。
これは僕だけが知っていること。

プレザに会った時だけ、アルヴィンは僕を抱くとき少し優しくなるんだ。

指を使って少し慣らして即挿入。
それが日常茶飯事で。

最初は気のせいだって思ってた。
偶然だって。
でもだんだん気が付いた、気が付いてしまった。

二・アケリア、シャン・ドゥ、カン・バルク。
彼女に会う、何かしらの接触などがあると決まって、そうだから。

プレザ関係でなにかあればすぐに分かる。
アルヴィンの雰囲気が少し優しくなる。

「はっ・・・ぁぁっぁ、・・・ぁぁ」

ぐっとアルヴィンの熱い楔が押し付けられて僕を貫く。
今日はいつも通りあんまり優しくない。
でも、優しい時はプレザと何かあったというわけで、それはそれで嫌なんだ。
アルヴィンは彼女のことがきっと好きだから。
彼女がアルヴィンにもうなびかないから僕を代わりに抱く。

そういうことでしょ?

「ぁぁ、っぅん・・・・、ぁぁぁっ・・」



アルヴィンのスピードが早くなる。
もう、今日は終わりなのかな?








やだ、苦しい、




痛い、





もっとゆっくりして・・・・・、



でも、















やめないで・・・・・・・・・。






この関係を終わらせることなんて僕にはできない。


好きな人だから。


身代わりでいいと思ってたのに僕は欲張りになってしまった。
好きな人に抱いてもらえるだけで十分だったのに。





僕の方を見てほしいなんて。
なんて我が儘な。











「っぁぁっぁぁぁぁ!!!」

「くっ・・・・、」


限界が訪れて今日も長い夜は終わる。
朝が来ればまた元通り。
それが日常。






プレザの元へ行かないで、

好きって言ってほしい、

抱きしめてほしい、

キス、して欲しい、

僕はあなたの愛が欲しいのです

言わないから、ちゃんと隠して封印するから。















僕の頬を伝って液体が流れる、

どうかこの瞬間だけ、涙を流すことを許してほしい











◇◇◇◇






あとがき

一応、一話完結でございます。
やってしまったアル←ジュ。
体だけの関係なんです。はい。
実は管理人、受けの片思いがけっこう好きだったりするのです。(可愛いと思いませんか??)
どうでもいい?・・・すみません・・・・。

一度は書いてみたかったので皆様の反応がどうあれ結構満足です・・・・。

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