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□二十六歳児の初恋
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最近、リーゼ・マクシア学園ではおもしろい光景を目にするようになった。
まあ、おもしろいといってもそれは、ごくわずかな人間にとってだがな・・・・・。
この学校に勤務している化学教師のアルヴィンについてだ。
一介の高校生である私が何故教師を呼び捨てに・・・とは思うが、まあ簡単に説明しておく。
代々マクスウェル家は政治、経済など様々な場面で活躍している会社マクスウェルの総帥である。
そこの子供であった私は必然とそういうパーティー関連には出席していた。
そこで知り合った一人がアルヴィンだ。
スヴェント家という代々銀行家である名家でその直系の跡取りがアルヴィンだった。
噂で、跡を継がないとは聞いていたがまさかここの学園で教師をしているとは思わなかった。
まあ、こんなところだ。
話を戻そう。
そしてそのアルヴィンが最近おかしいのだ。
おかしいといっても職務はきちっとこなしているし、生徒受けもよい。
それが何故おかしいのか、私も試してみた時は面白かったがな。
ローエンから最初は聞いた話だった。
校長であるローエンとも何故知り合いなのか・・・・、という話は割愛させてもらおう。
まあ、ほとんどアルヴィンと同じ感じで知り合ったとだけ言っておく。
アルヴィンは授業がない時は暇らしくよく校内を散歩している。
私はその時数学の授業であった。
アルヴィンのスリッパの音が廊下側から聞こえていた。
ぺタペタペタ・・・・・
「はい、マクスウェルここの答えは?」
「X=30°だ」
ずてっ
答えた瞬間に廊下から漫画のような音が聞こえた。
先生も聞こえたらしく、教室のドアを開けると
「アルヴィン先生・・・、大丈夫ですか?」
どうやらつまずいてこけたようだった。
休み時間。
私は職員室に来ていた。
先生方もちらほらいて、用事を済ませようと担任の机に向かっていた時だった。
「最近、暑いですねぇ。」
高齢な先生のやり取りが聞こえる。
「そうですねぇ。ここまで暑いと身がもうもちませんよ・・・。」
「おっしゃる通りで。熱中症になってしまいますね・・・・。」
「いやはや、最近暑さは怖いですな・・・・、知っていますか?中等部で‘重度’の熱中症で倒れたらしい・・・・」
ばしゃっ、
「!、アルヴィン先生、大丈夫ですか?」
またもアルヴィンは足を滑らせ、コーヒーをこぼしていた。
こう、何度もアルヴィンが失態をおかしているのも何かあるだろうということでローエンに聞いてみた。
するとおもしろい答えにたどり着いた。
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