TOX

□内部戦線異状アリ!
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人間の見た目は信じるな。

これは俺が軍に属してから思うようになったことだ。

なぜかというと俺の属している軍内部の連中はそういう奴らばかりだからだ。(そして、ロクな目に遭わない)

例として挙げていくとすると、

先代が引退して次に軍のトップになった知識はあるのにちょっと抜けてるバリボーなやつ。
見た目は老いているのに今も現役バリバリな参謀長官。
元気娘なだけかと思いきや軍の中でもおもっきし武闘派の棍術使い。
幼いにも関わらずかわいらしい(?)ぬいぐるみを使って戦闘員を補助する魔術師。



そして、



今、俺はその類の人間がいる部屋の扉の前に立っている。
ロクなとこがないためあまりこの部屋には入りたくない・・・・。
この部屋の人物、見た目はいいんだがな。

「入るぞ、ジュー」

「え、っちょ待っ」

シュウっ!!!!!

ドアを開けた瞬間に部屋中が真っ白な煙で覆われた。

「うわっ!!ごほっ、ジュード・・・・、またやったな・・・・。」

部屋には散乱した薬品やら実験道具やら。
人がせっかく訪ねてきたという時に限ってジュードはこういう事態を引き起こす。

「うー、やっぱりこの薬品は質が悪いよ。あ、アルヴィン、ここの業者はもう断ってね。」

「・・・・ああ。」

ジュード・マティス(20)、医師免許を取得し、マクスウェル軍で軍医として所属している。
軍内でも評判はよく腕も確かだ。
普段は怪我人の治療や薬品の開発などに関わっている。

そして俺の恋人でもある。

「けほっ、やっぱこの公式も間違ってるかなー・・・、あ、こうすれば・・・・。」

「ちょっと待て。ジュード。」

俺はジュードの肩を掴んだ。
何、忙しいんだけど、とジュードは俺の方を睨みつける。
目が恐い。

「・・・・、頑張って任務から帰ってきた恋人に労いの言葉は・・・・?」

「あ、今日で潜入捜査終わりだっけ?お疲れー。」

ちょー棒読みなんですけど・・・・・。

「え、何俺まさか忘れられてた?それと愛がこもってない。」

淡白な恋人にけっこうへこんだりする。これでも。
以前はもーっちょっと可愛げがあった気がす「可愛くなくて悪かったね。」

「え・・・・」

間髪入れずにジュードの言葉が入る。
なにこれ、ジュード君エスパーですか?
俺の思ったことまんまなんですけど。

「どうせ、そう思ってんでしょ?いいもん、僕別にアルヴィンにそう思われたって・・・・。」

そう言って後ろを向くジュード、

「わ、悪かったって・・・・、」

ジュードを抱きしめようとしたら突然振り返って鳩尾に連牙弾を撃ち込まれた。

「うわ、本当にそう思ってたんだ?」

最っ低、とつぶやく。
ジュード先生、顔が怖いです。
あとそのメスとか持たないで欲しいんですけど。








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