TOX

□外部戦線異状アリ!
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設定は『内部〜』と一緒です。













ジュードが捕まった。



そんな知らせが入ったのは数時間前。
俺は別の任務からの帰還中だった。

ジュードがそんなヘマをするはずがない。
最初信じられなかった。

気が付いたときには足はジュードが捕まったという要塞へと向かっていた。
できるだけ隠密なのが好ましい。
それは分かっている。
けれどもアルヴィンにそんな余裕はなかった。

「さっさと、どけよ!!」

正面から乗り込んで敵をなぎ倒す。
今度の任務でここに乗り込む予定だったので問題はないが。


「目ぇかっぽじってよく見てな!これがおたくの最期の光景だ!エクスペンタブルプライド!!」


ジュード、ジュード、ジュード。

心の中で何度呟いたか分からない。

とにかく無事でいてほしい。








奪ったカードキーを差し込んで牢のある部屋へと入る。
ジュードの捕まっている部屋は普通の牢とは違う場所で、ロックも二重であった。
走る、走る、走る。
最奥の大きな扉を開けて

「ジュード!!」


大声で叫べば、



「あ、アルヴィン。」

「・・・・・。」

返事をした本人はけろっとした様子で優雅に座って紅茶を飲んでいた。









「ジュード君・・・・、ちょっと聞いていいか?」

「?」

なあに、という風に首をかしげるジュード。
その仕草にちょっとときめいたなんて言うもんか。
それよりも俺は聞きたい。

「ここ、本当に牢なのか・・・・?」

「捕まった恋人に対していうことがそれ?」

いや、俺の質問に答えてくれ。
百人中百人(←ここ重要)が必ずこの質問をすると思う。
それもそのはず。
ジュードのいる牢・・・。
なんだろうか、牢というよりVIPルームっていう感じだ。
品のよいテーブルにイス。
窓には強化ガラスでありながらも細かい細工がされてある。
大きなベッドに真っ白なシーツ。
簡易台所にシャワー。
どこからどう見ても牢屋ではない。

「・・・・、脅したのか?」

「違うよ。人聞きの悪い・・・・。ちょっと耳にしていた秘密を暴いてあげただけだよ?」

だから、それが脅したってことだろ・・・・・。
心なしかジュードの周りに黒いモノが見える。

「ねぇ、早くここから出してよ。」

「はいはい・・・・。」

さすがのジュードも逃げることはできなかったらしい。
足枷を外してやる。

「ふぅ、やっと自由だ。」

ありがとねアルヴィン、と頬にキスをされる。
たまにはこういうのも悪くないか・・・・・。

「アルヴィンも紅茶、飲む?」

ジュードが勧めてきたので一口だけ飲んだ。

「ジュードにしては甘いな・・・・。」

「くすっ、たまにはいいでしょ?」
















部屋から出て、通路を走り抜ける。

「あ、忘れてた。」

要塞から逃げていた途中この言葉がジュードからこぼれた。

「時限爆弾セットしてたんだ。」

悪びれることもなくジュードは走りながらも器用に笑う。

そ れ を 早 く 言 え !!!

奥から大きな音が響く。
がたがたと奥から音が響いて、今にも崩れそうである。

「っ、くそ!!」


ピィーっと笛を吹いて、

勢いよく走り出す。
窓を蹴って、俺たちはやってきたワイバーンに跳び乗った。








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