TOX
□chocolate days
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2月14日
「あ・・・、あのジュード・・・。」
「ん?なあに、エリーゼ?」
エリーゼがジュードの服の裾を引っ張った。
気付いたジュードは振り返る。
「これ・・・・、昨日手伝ってもらったから・・・、同じだけど・・・・」
「僕に・・・?」
「はい///・・・・、いつもありがとうです・・・・。」
差し出してきたのは綺麗にラッピングされた袋。
中身はきっと昨日一緒に作ったトリュフ。
「ありがとう、エリーゼ。」
ジュードは微笑んだ。
手伝ったといってもジュードは作り方を教えて手本を見せただけ。
エリーゼはすぐにコツを掴んで出来ていた。
チョコをくれるなんて思ってもみなかったから。
「嬉しい。」
お返しに精一杯のお礼を。
「はい、ジュード。」
「?」
「これあげる!・・・・私もジュードに教えてもらったけれどさ・・・・」
レイアがマフィンを渡してきた。
見た目にも可愛らしいそれ。
だけど、
「せめて、袋に・・・・」
レイアの手作りマフィンはそのままの状態で手渡されたのだった。
「い、いいじゃない!!ラッピング上手くいかなかったのに///」
「あはは、冗談だよ。レイア、ありがと・・・・」
「・・・・、倍返しだからね!!」
「ジュード、」
「ミラ、どうしたの?」
「これをやろう」
ミラが渡してきたのはクッキー。
ミラは料理というかお菓子作りは初めてで、苦労した。
それでもなんとか形にはなった。
「あ、ありがとう・・・・。」
ミラにまでもらえるなんて・・・・(←ちょっと感動)
「ところで、ジュード。」
「?」
「私にはないのか?」
目をキラキラさせてジュードを見つめる。
「・・・・・・」
(さっきみんなでガトーショコラ食べたんだけどな・・・・・・・。)
「ないのか・・・?」
しゅんとするミラ。
こう落ち込まれると作りたくなってしまう。
「また、明日作るね。」
その言葉に納得したミラは部屋へと帰って行った。
「ローエン、」
リビングへ戻ると、ローエンがいた。
「ほほ、ジュードさんももらいましたか?」
「うん、ローエンも?」
ローエンのそばには可愛らしい袋たち。
「はい、やっぱりもらえるとは嬉しいものですね。」
話をしていると、アルヴィンがやってきた。
「うわ、ジュードももらってるのかよー・・・・。」
アルヴィンは何故だかしょぼくれていた。
「どうしたの、アルヴィン?」
「よく聞いてくれた、ジュード!」
がばっとアルヴィンはジュードに抱きついた。
「わ、何してっ!!」
べしっ
アルヴィンが抱きついた瞬間にジュードはアルヴィンを突き飛ばした。
アルヴィンが倒れこむ。
「おわっ、・・・・、ジュードひどいな・・・・。」
「ご、ごめん・・・・。」
思いのほか、力が入ってしまった・・・・。
気を付けないと・・・・。
アルヴィンの手を握って起こす。
うう、重い・・・・。
「気にすることないですよ、ジュードさん。まだ女性陣からチョコを貰えてないからですよ。」
「え?」
これは意外かも・・・。
もうすでにもらってると思ってた。
「じいさん、バラすなよ・・・・。」
「大丈夫だよ、アルヴィン・・・」
エリーゼにレイアそしてミラがいた。
「あの・・・・」
「ん?」
「アルヴィンにもせっかくだからあげます。」
「感謝しろよー、アルヴィン君!!」
「まあ、これで、静かになるだろ。」
「姫ぇーっ」
「きゃ、」
アルヴィンはエリーゼを抱きしめた。
「いけ、ティポ!!」
「あがーっ!!」
「うわ、ちょっ待てって・・・・−!!!」
「問答無用です!!」
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