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□メープルシロップ、甘い蜜
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メープルシロップ、甘い蜜

「ユーリ!!」」

はぁはぁと息をついて。
広場にいたユーリに話しかける。

「フレン、どうしたんだ?」
「えへへ、パンケーキ、おばさんが焼いてくれるって。早く行こうよ。」
「ほんとう?うん、いく!!」

ぱぁとユーリが笑顔になる。

「フレン、競走だぞ。よーい、ドン!!」
「あっ、ユーリ、ずるい。」

ユーリは言うかいわないかのウチに走り出す。
まてーっ、とフレンの声。
笑うユーリの声が下町に響く。


「ほらよ。パンケーキ。」
フレンに出来上がったばかりのパンケーキを渡す。
「ふふ、久しぶりだね。パンケーキかぁ、なつかしい。」
「ん?何で?」
「忘れた?君が先にかけっこって言い出して走って、こけてさ・・・・・」

クスクスと笑うフレン。

「ああ、それか・・・。ったく余計な事を覚えやがって・・・・」

そう、ユーリは油断して派手にこけてしまった。
親友に笑われまいと歯をくいしばるがすりむいていて痛くて立てない。
見かねたフレンがおんぶしておばさんの所まで行ったのだった・・・・。

「忘れろ。」
「嫌だ、可愛い姿は覚えておく主義なんだ。」
「どんな主義だ・・・・。」
ムスッとふくれたユーリも可愛いと思いながら笑う。
可愛い、ボクのユーリ。
甘い甘いメープルシロップ。
ボクの特上のおやつ。
後で覚悟しといてね?
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