TOV

□苦悩、そして
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「何で貴様が隊長の親友なんだ、貴様は隊長にはふさわしくない!!」


  苦悩、そして。



矢継ぎ早に出てくる言葉。
それはオレの心をみすかされているようで・・・・・。

「ユーリ?」

カロルの声で現実に戻される。
しまった・・・・、エステルがさらわれているというのに・・・・。

オレは走ってフレンたちに追いつく。

「どうしたんだ?遅かったじゃないか・・・。」

フレンが振り返って言う。

「何でもねぇよ。そんな焦るな。敵に見つかるぞ。」

そう言って適当に誤魔化す。

「そうじゃない。顔色が悪い?どうしたんだ、本当に大丈夫?」

影がかぶさってフレンが額を押さえようとしているのが分かった。

「っ・・・・・。」

パシンッと音がして振り払ってしまった。

「ユーリ・・・・?」
「あ、ゴメン・・・。ほんと何でもねぇから・・・。」
「本当?具合悪いんだったら言ってね。」
「ああ。」

本当は大丈夫じゃない。
何でバレてんだよ。
何でフレンの部下に・・・・。
まるでオレがフレンを好きになるのは許さないかのように。
何でいわれなきゃなんなんだ。

ダメだ、こんなの考える事自体やましいと自分が思ってんじゃねえか!!
しっかりしろ、オレ!!

「っフレン、そ・・その悪かった。」

振り払ったりして・・・と声が小さくなるけれど・・・・。

「大丈夫だよ。それより本当に大丈夫?君が心配なんだ。」
「バーカ、心配性なんだよ。」
「心配性って・・・。君が危なっかしいだけなんだけどね・・・。」
「それはたまたまだ。」
「違うよ。まあ、いいや。何に悩んでるのかは後できこうかな。」

耳元でそっと囁かれる。


「エステリーゼ様を取り戻したら、その後は覚悟しといてね・・・・。」


「っつ・・・!!このバカフレンっ!!」

聞こえるとマズイので小声で応戦する。

「じゃあ、頑張ろうね♪」

そう言ってウインクまでしてきやがった。
ホント、恥ずかしいヤツ・・・。
でもありがとな。
心の中でつぶやく。
元気でた。




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