リクエスト
□ラズベリーの憂鬱
1ページ/11ページ
×月×日
久しぶりだな、俺の脳内日記。
ジュードと恋人同士になって結構経った。
何が変わったかってきかれるとあんまりないが、少しは一緒に寝たりするようになった。
ジュードは相変わらず仕事には行ってるし、俺もオオカミ族の仕事があるしな。
だけど、やっぱりジュードは可愛い。
ミラやバランにはベタ惚れだな、と呆れられるほどに。
それはジュードが可愛すぎるのが悪いよな。
用意されてる食事に明かりのついている家。
ジュードが与えてくれたんだ、俺の幸せを。
手離さないし、これからも手離すつもりはない。
それでも、一つずっと気にかかってることがある。
「アルヴィン、お休み。僕、もう寝るね」
ひょこっと顔を出してジュードはアルヴィンに挨拶を交わす。
アルヴィンは読んでいた本を閉じて、起き上がった。
「ジュード」
アルヴィンはちょいちょいと手招きをして、ジュードを呼んだ。
疑問に思いながらも素直にジュードは近づいた。
「?、どうしたの、アルヴィ・・・わっ」
アルヴィンはジュードが自分の手が届く範囲に来ると手を引っ張った。
当然、引かれた方にジュードは倒れこみアルヴィンの胸に収まる。
「っちょ、アルヴィンってば////」
胸からがばっと顔を上げてジュードは声を上げる。
顔は真っ赤に染まっていた。
ジュードが逃げないようにアルヴィンはぎゅっと抱きしめる。
「どうしたの?」
「ジュード、」
ジュードは、甘えたいの?とアルヴィンに問いかける。
アルヴィンは、意を決して口を開いた。
「お前のいた黒猫族が復興してさ・・・・、村に帰れるって知ったらジュードはどうする?」
.