SS

□In laboratory
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「ちょっと、どこ行ってたんですかこの忙しい時に!」
「材料の調達ぅー……みたいな?」
「みたいな?ってなんですか、みたいな?って!!……あ、それ取ってください」
「はぁい。……ねぇスニフくんきーてよー、モールが口利いてくれないよぅ」
「──やっぱりサボってたんじゃないですか」
「ちーがうよっ、やっぱりきちんと説明した方がいいじゃない?お宅の娘さんを増やしたのは俺ですよぅみたいな、ねぇ?」
「それはそれは。口も利いてもらえなくなるでしょう」
「えぇええ、でも素直に罪を認めるのはいいことでしょお?……あ、スニフその組み合わせはもう試したよ」
「そうですか。じゃあこっちの組成式はどうですか?……というか、認めて許してもらえる範囲を超えてるんですよ」
「そーかなぁ?フリッピーなんてなかなかエンジョイしてるじゃない。──ちょっとコレ入れて混ぜてみて?」
「分かりました。……っと。フリッピーさんは事情が違うでしょう」
「……同じだとおもってたんだけどねぇ」









「え?どの辺がです?」

ビーカーの中身をかき混ぜながら眉を顰めてる。スニフは律儀だねぇ。
っていうか、また失敗っぽいなぁーあの色合い。
うまくいかないなぁ……でもちゃんとしないと今度こそモールとフリッピーに殺されちゃうし。あ、冗談じゃなくね?あの二人ホントに怖いんだからねっ?

「でもさぁ、なあんか変な感じだよね」
「……話題飛んでますよ」

あれ、そう?

「それで、何が変なんですか?ああ、この加熱法ですか?」
「ん、それは別に変じゃないよう。そーじゃなくってぇ、ほら、僕らってよく死ぬじゃない?」
「…………本当に何の話なんですか」

わぁスニフ手ぇ止まっちゃった。俺そんなビックリするよーなこと言ったかな?

「うん?うん、でも生き返るじゃない?」
「そうですね。この街のリセット機能です」
「でしょ?だから変な気分だよ、もしこの薬が完成しなかったら誰かと誰かが消えちゃうかもしれないなんてさっ」
「…………」

死ぬってそもそもそういうことだよねぇ、俺ちょっとなれすぎちゃってるけどさ。誰かに会えなくなることだもんね?

「……から、」
「んん?」


振り向いたスニフはなかなかに呆れた表情をしてた。


「だから、消さないために今こうやって頑張ってるんでしょう?」

「──あ、そっか」



(こうしてる間にもナッティが糖分を摂取しているかと思うと気が重いですよ)
(スニフもスニフで大概アレだねぇー)


【end】

何だかんだ手は動かすひとたち

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