捧げ物 / 貰い物

□林檎飴様へ!1000hit
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雇い主(ランピー)のミスでどうやら知らないうちに働きすぎていたらしく、予想以上の収入を得られた今日この頃。生活必需品その他食料込み買い合わせてもバイト代が余ってしまった。特に欲しいものはないし、貯金しよう。でもどこに溜めよう。
ということをトゥーシーに、しかも公園で相談してしまった事がオレの運のつきだった。

「貯金なんてしてる場合じゃないわよ!」

と、叫んだのはギグルスだ。
その時点で何かを悟ったように、トゥーシーは隣でリフティングしていたカドルスを引っ張って去った。目顔でオレに謝りながら。なんでだ?と考えるまもなく、今度はペチュニアが目を輝かせる。

「そうね、イチだって女の子だものね……!」

なんでここで逃げなかったのだろう。寝ぼけていたとしか思えない。
困惑したまま二人に引っ張られて連れてこられたのは洋服店で、

「相変わらず中身ないわね、この子」
「やめてよあるよ」

試着室なう。である。
ていうかペチュニアには腰を掴むのをやめて欲しい。これ苦手だ。

「やめて欲しかったらさっさと脱ぎなさいよ!」
「まあギグ、それって脅迫じゃない?」

仁王立ちするギグルスに笑顔のままのペチュニア。
ペチュニアは本気で止める気はないと思う。寧ろ推奨していると思う。だってオレのパーカー掴んで離さないし。
誰だか知らないけど、試着室をこんなに広く設計した人が恨めしい。

「そもそも体格に合ってないじゃない?特にこの上着」
「ああ、モールさんのだから」

言ったとたん二人は慄いたように叫んだ。

「「よくサイズが有ったわね!!」」
「うるさい」

……元は七分袖だということは死ぬまで、死んでも黙っていようと思う。

「……というか吃驚しすぎてスルーしちゃったけど、18歳の女の子が親の服で生活してるってどうなのよ?」
「いや、別に親では、」
「なら、どういう関係?」
「いや、どういう意味?」
「ギグ、それは後で聞きましょ」

聞かなくていい、モールさんはオレを拾った人だ。別に親でもない。冗談でモールさんの隠し子を語ったことはあるが。

「さぁ!」

と、ペチュニアはとうとうパーカーをひっ剥がした。

「今日はイチにお洋服買うまで帰らないわよ?」

ならオレは帰ってもいいだろうか?




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