ダリア 1
□一目惚れしました。
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俺は今日。なかなか目覚めなかった。
いつもならとうに電車の中。
だけど今日は布団の中。
"寝坊"したか…。
それから直ぐに俺は家を出た。
急いでたせいか、ネクタイは上手く締まって
なくて。髪もいつもの俺じゃありえないくらい寝癖が凄い。
今日は何かありそうな気がするよ。
俺はいつもの癖で学校近くの庭園に来ていた。
時間がないって言うのにね。
このままだと、朝練には間に合わない。
真田はきっとカンカンだろう。
だけど、ちょっとだけならいいかな?
俺は庭園に入った。
どんどん進んでいくと、一人の少女が花をみていた。
「やぁ、始めまして。俺の名前は幸村精市だょ。君は?」
『…あ、………まりあです。』
「おや、これはダリアかな?綺麗だ。」
『…そう。ダリア。この花を知ってる人少ないから幸村くんが知ってて嬉しい。』
「ありがとう。俺もまりあが花について詳しくて良かったよ。俺の趣味を笑わなかったのはまりあが初めてだしね♪」
『…なんでお花が好きだと笑われるの?』
「男がガーデニングが好きだなんておかしいだろ!?」
『…そんなことない。もっといっぱい私たちを育てて!?』
「私たち…???」
『…お花たちだょ。幸村くんみたいに優しい人が育ててくれた花は幸せだろうな。これからもキレイな花を咲かせてね♪』
君が笑った顔凄く可愛かった。
「また会えるよね?」
『うん。きっといつかまた会えるよ!!!
ダリアの花を綺麗って言ってくれてありがとう。私はいつでもここで待ってるから』
最後の君の顔はどこか悲しくて、そして一生懸命に咲いているこのダリアのように誇らしかった。
「あぁ、また今度。」
『バイバイ。…精市。』
そう言えばあのダリア。
まりあに似ていたなぁ〜。何て言うか。凄く
綺麗だった!!!
俺が信じて疑わなかったこの気持ち。
それは『恋心』