黒バス

□カコとミライの調和
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あえてそこには触れないという事を、学んだ1年は何も言わなかった。

「それでカントク、相手は誰なんすか?」
「確かに、聞いてなかったな……。」

火神が聞くと、落ち込んでいた日向が復活した。

「あぁ、言ってなかったわね?明日の練習試合の相手は“神奈川県の海常高校”よ!!」
『っ!!!』

相手校を聞いた瞬間、七海は目を見開いた。
それに気づいた人はおらず、それぞれが驚きの声をあげていた。

「海常って、I・H(インターハイ)常連校じゃねぇか!?」
「よくOKしてくれたな!!」
「強ぇーの?そこ。」

日向・木吉・火神の順に言っていくと、火神の時だけ何故か日向と相田から頭を殴られた。

「イッテーっ!!」
「ダアホ!!知らないにも程があるだろ!!」
「そうよ、このバ火神!!いくら帰国子女でも、知っときなさいよ!!」

火神に対して怒る日向と相田を抑える木吉以外の2年。

「まぁまぁ、日向もカントクもそこまで!!」
「これ以上、火神がバカになったらどーすんのー!!」
「おいこら。」

小金井が言ったことにツッコむ火神。

「それもそうね。」
「だから!」
「そうだな。0点取るようなバカだしな。」
「聞けよ!!」

小金井の言葉に賛同するかのように、相田が言い、言い返そうとすると、今度は日向が言うもんだから、一向に反論できない火神であった。

「もういいよ……。」

反論を言わせてもらえず、自分の頭の悪いところについて話し始める2年を見ながら、火神は拗ねてしまった。

『……火神君。』
「ん?何だ、黒子……。」

拗ねて落ち込んでいる火神の元へ、七海が慰めに行った。
落ち込んでいるせいか、いつもは七海に突然声を掛けられるとビックリする火神だが、驚かず普通に返事を返している。

『そんなに拗ねないで下さい。みなさん火神君が大好きだから、ああやって構ってくれるんですよ?』
「……別に、頼んでないっつの………。」
『ふふっ。素直じゃないですね?火神君は。』
「……うるせぇ。」

少し機嫌が直ったのか、微笑む七海につられ軽く笑う火神。

『…火神君、少しだけ今思ってること言っていいですか?』
「?あぁ。」

そう聞くと、火神の隣に座った。

『まず、明日の対戦校には先程話に出た“黄瀬涼太”が居ます。』
「!!」

黄瀬の名前が出ると、火神は目を開いた。
それを気にせず、続ける。

『正直、私が知っている黄瀬君は全中直後までです。多分、すごく成長していると思います。』
「……。」
『……怖いです…。すごく……。』

そこまで言うと、七海は少し泣きそうになって話すのを止めた。
そんな七海を見て、火神は未だ自分のバカさを語っている2年と明日の相手校について話している1年を見ながら、言い始めた。

「どんないざこざがあってギクシャクしてるかは知らねぇ。だから、さっきの話を聞いただけじゃ何とも言えねえけど、今言えるのは、もっと俺達を頼れってことだな。」
『頼る……?』
「おう。まぁようするに1人で抱え込むんじゃねぇよってことだ。」

「分かったか?」と言いながら、火神は七海の髪をくしゃくしゃにしながら頭を撫でた。
それを、鬱陶しそうにでも嬉しそうに目を細める七海。
何とも甘い雰囲気が、漂う。


「何しとんじゃ、あいつ等は……。」
「さぁ…。」

2人を見ていた部員たちと相田は、ポカンとしていた。

「リア充、爆発しろ!!」
「……日向それだとダジャレが作れない!!」
「作らんでいい!!」



いつもと変わらない……そんな放課後だった。



つづく。
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