Sleep

□記念日を共に
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※夫婦設定ですが後冬は未プレイなのでほぼ妄想ですので悪しからず。






誰からも必要とされず、何にも心を開けずにいた
そんな自分が恋をした

モノや人に執着心なんて感じなかった
強いて言えば音楽やピアノ。
星月学園に入学して生徒会に入ってからはそんな感性も徐々に変わり、今では1人の女性と仲間に執着し心を許している

人生はいつ何が起きるか本当に分からない


『なまえさん?』

彼女が見当たらない。
朝、眠りから覚め瞼を押し上げ目を開けるといつも最初に見るものは愛しい彼女の寝顔

なのに今日は隣に彼女が居なかった。
結婚してからずっと変わらない朝だったのに今日は違った

寝室から出てリビングやキッチンを見渡すがどこを見てもなまえさんの姿はない

さすがに心配になり、携帯を取りに寝室へ戻ろうと踵を返そうとした瞬間

「ただいま〜」

聞き慣れた声が玄関先から聞こえ、寝室へ向けていた足の行き道を玄関に変更。

「あ、颯斗くんおはよう」

手にスーパーの袋を持っている辺り、買い物に行っていたのだろう
お互いに目覚めてから二人で行けば僕が荷物を持つ事が出来たのに。

『袋、貸してください
重たいでしょう
どうして1人で行ってしまったんですか』

「ありがとう…
でもそんな重くないよ?」
『そう言う問題ではありません、ほら』

実際頼ってもらえなくて不満に思う
それが彼女に伝わったのかいじけた子供のような顔をしてしまっている

「颯斗くん、昨日は疲れてたみたいだったから沢山休んでもらいたくて…」

私のせいでもあるし
と、顔を赤らめ夕べの出来事を理由に話すなまえさん
不満なんてどこかに飛んでしまいそうなくらい可愛らしい。

「次からは起きるの待つから…ごめんね」

『いえ、僕の方こそ謝ってほしくて不満な訳では…
ただ旦那としての役目を果たせなく残念というか寂しいと思っただけで…あまり気にしないでください』

自分のエゴで彼女に謝罪をさせるなんて僕は何がしたいのだろう
好きだからこそ頼ってほしい
愛しているからこそ自分を必要としてほしい
それが例え日常的な出来事でも、そうしてほしいと僕は感じる

「うん、でも今日のお買い物は1人の方が良かったから
心配させちゃったしその辺がすごく申し訳ない…」

『次から1人で出掛ける際はメールでも良いので連絡をください。それならまだ安心しますから…ね』

分かった、と彼女はこくんと頷く
買い物してきた袋をキッチンのカウンターに置き、中身を確かめる

中にはケーキを彩るスプレーや飾り、ご馳走を作るのに要る食材が入っていた

『何かのお祝いですか?』
「え?
あぁ、ほらもうすぐ私たちの結婚記念日でしょ?だからそれに備えて準備で買ってきたの」

キッチンの壁に飾ってあるカレンダーを見ると約1週間後の日付に大きく丸がつけられていた

『そう言えばそうでしたね。
…すみません、正直今忘れていました』

何かと日にち間隔を気にしない生活を最近送っていたものだからまさか記念日を忘れていただなんて
全然気付かなかった。

「そうじゃないかなーって思ってたよ。
でも颯斗くんが忙しいの知ってるしサプライズでどうかなって考えてたから気にしないで大丈夫だよ?」

冷蔵庫に買ってきた物を入れながら首を傾げて話す彼女
サプライズはサプライズできっとすごく嬉しいだろう
だけどやっぱり事前から二人で祝う準備がしたかった気もする

『一人でするんですか?その…記念日のお料理』

「うん。あ、颯斗くんも一緒にする?」

調味料や材料が入っている戸棚を開け袋から砂糖などをしまう
これだけあれば色々なものが作れるはず。
料理はあんまりする方ではないけどたまには一緒にするのも楽しいと思う

ぱぁっと明るい笑みを見せ嬉しそうにろうそくなどを片付けるなまえさん
普段から、もっと積極的にこう言うコミュニケーションもすべきなのだろうか

嬉しそうに微笑む彼女の腕を掴み引き寄せ、
加減した力でぎゅっと抱きしめた



記念日


end




0407.

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