虚の書庫は最初からこのような名前ではない
守り人の天使が守る綺麗な本が詰まった壮大な書庫、天空の図書館だった
本棚には伝説やおまじない、神話などの関連の書物がきっちりと立ち並び天界の住人が時たま立ち寄っていた
そんなのんびりとした時が長く長く流れていった
しかしある日のこと、一人の鬼の子がちょっとしたイタズラで火遊びをしていた
それは、天空の図書館の近くで…
ちょっとの火遊びは大きな火事となる
その火の粉は天空の図書館にも燃え移る
しかし誰も気がつかなかった
守り人の天使の必死の助けを求める訴えは誰にも届かない
そうして天空の図書館の本は全て燃えてしまった
図書館という名なのに物語は何もない
天使は天空の図書館から虚の書庫と名前を変えて物語を探す旅へと出る
誰かの伝説を探して…
『あなたの伝説、待ってます』
こうして虚の書庫は伝説を探していく
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