銀神1
□はじめての気持ち
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はじめての気持ち
最近、神楽は自分がおかしいんじゃないかと思っていた。というのもいつも一緒に居る万事屋の主…
銀時が気になって仕方ないのだ。
例えば、彼が夜に居酒屋などに行っていて帰りが遅いと不安になる。
風呂上がりに彼がタオル一枚で居る姿で上半身が見えていると何故か目をそらしてしまう。
話しているときに、何故か胸が高鳴る。
「…なんで私こんなに銀ちゃんを意識してるアル。」
なんて独り言を誰もいない万事屋で呟く神楽。
そう今は銀時はパチンコに行き、新八は親衛隊の会合で休みだった。つまり二人とも用事で留守になっていて、残された神楽は暇だったのだ。
「定春〜起きてヨ〜…」
呼んでも眠っているため起きてくれない。
「あ〜…暇アル!!」その時
「だったら寝とけ。たでぇーまぁ…」神楽が叫んだと同時に銀時が帰ってきた。
「銀ちゃん!!帰ってきたアルカ!!お腹空いたアル。」
少しドキドキしながらも銀時には決してバレないように神楽はいつものように振る舞う。
だがその様子に銀時が気づかない訳がなかった。
銀時はそれでも、神楽が年頃だから異性を気にしてるだけなんだとあまり気にしてはいなかった。
「おー今から飯用意すっから、ちょっと待っとけ。」
「ハイヨ!!」
神楽はやはり自分がおかしいと思っていた。銀時が自分のために何かしてくれることに嬉しくなったり、銀時が神楽に話しかけられる時もドキドキするが何より嬉しかったり、とにかく銀時が自分に関わると胸が高鳴るのだった。
そんな状態が続き1週間がたったある日の夜。
事件が起きた。
それは、「Toloveる」とよくにた展開の事件。
神楽が風呂に入っているときに気づかずドアを開けてしまった銀時。
二人の間には沈黙。
片方は顔が熱くなり、
片方は背中に冷たいものが走る感覚を覚えた。
「か…神楽ちゃん…?風呂に入ってたの…」
「え…あ…そう…アル。」
神楽はというと洗髪していたため、椅子に座っており、丸見えの状態だった。
銀時はそんな神楽を見て、鼻から赤い液体が垂れているのを感じた。
((やばい…どうしよう…この後絶対にきまづい…))
同時にそう思ったが、相変わらず二人の間には沈黙…
先に切り出したのは銀時だった。
「す…すまなかった…俺はとりあえず戻るわ…」
(よし!!これでなんとかキリ抜けられるぞ!!)
だがそんな銀時の気持ちに対して神楽は真逆だった。
確かに眼前に男がいて、
裸を見られるのは恥ずかしい。というより「みるんじゃねーヨ!!」と言いながら鉄拳を喰らわすだろう。
だが、眼前に居るのは男でも自分の好きな相手。
好きな相手だからこそ見られるのは尚更恥ずかしいが、少し嬉しかったりもする。
だが立ち去ろうとする銀時。神楽はそんな銀時に悔しさを覚えた。いっそこのまま、襲われたって何も怖くない。銀ちゃんだもん。
「銀ちゃん…待つヨロシ」
「な…なァに?神楽ちゃん…銀さんここから早く出たいんだけど…」
「…銀ちゃん…私のこと何とも思わないアルカ。」
「いやいや!!何とも思ってるよ!!だから早くここから出たいんだって…」
「いやアル」
「かっ…神楽ちゃん?何かおかしくね?ねぇおかしくね?お前普通殴ってくるのに……」