novel
□もう一度会えたなら 8
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夜。
まああれからも色々あったのだが、描写が大変すぎる。割愛。
オレは隊員・来客用の風呂場にいた。先日、マーモンと殺し合いごっこをしていたときに部屋に備え付けのジャグジーが半壊してしまったからだ。
幹部のものよりグレードは下がるが、ジャッポーネの温泉みたいに皆でワイワイしていた隊員達がいつもちょっと羨ましかっ…
って、王子がそんなこと思うわけねーじゃん!!
…広い浴場に入る。洗い場が五十個ほど並んでいて、基本的に来客も皆無に等しい為、一般隊員三十人足らずのヴァリアーにはいささか広すぎる。
今は午後十一時くらいで、隊員は一人もいないようだった。軽く身体を流し、どこからか響く水滴の滴る音に耳を傾けながら湯に浸かろうとしてー
「うわぁぁあ!!?」
飛び退く。
立ち昇る湯気に隠れて見えなかった隅の方に、
フランが、いた。
「ばっ…………なっ、おまっ………な、なな、な何で居んだよ!!!」
「は?いつお風呂に入ろうとミーの勝手じゃないですかー」
大浴槽の縁で組んだ両腕に顔を乗せ、こちらを上目遣いで見てくるフラン。濡れて肌に吸い付く綺麗な翠の髪、紅く染まった頬、白く小さな肩を滑り落ちる雫ー…何でお前は動揺してないの?
「ボーッとしてたにしてもオーバー過ぎません?」
小首を傾げると同時に、光る水滴が舞い散る。アウト。
「そういうことじゃねーよ…!!」
しどろもどろになりながら目を背けるオレ。
「だっ…お前、女じゃん……!!」
「え…………」
真っ赤になっているオレを尻目にフランはやる気のない顔のまま、
「あぁ……そーゆーことですかー」
呟いたあと、両腕をゆっくりと下ろし始めてー
「うぇ!!?ちょっ、何、やめ……!!」
露わになる鎖骨。そして、白い胸部ー
「…!………!!!」
何でこんな痴女がヴァリアーにいるんだよ!骸のヤローふざけんな!
ああああああああああ!!
……………あれ?
「下も見ないと分かんないんですかー?」
そう言い、履いていた青い海パンにも手をかけようとする。ーえ、あれ、海パン?
「……………………………」
長考。
落ち着け、オレ。
えーっと、胸が平らで…海パン……?
「前にも一回、シャマルとかいう変態の医者に間違われたんですよねー…ミーは男ですよー?」
「……………………………」
ドスドスドスドスドスドスッ
「危ないですねー。何するんですかー」
ドスドスドスドスドスドスドスドス
「わ、ちょ、刺さります、刺さりますー」