novel
□もう一度会えたなら 7
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「…!? 何だこいつ!?」
警戒して少女から距離をとるマーモン。見れば、倒れ伏したはずの身体は綻び、砂のように消え出している。警戒もするはずだ。マーモンは世界でもトップレベルの術士だ。なのに見破れなかったということは、こいつ、そこらの殺し屋なんかとは比べ物にならないほどの実力者だ。
「クフフ、お前に拒否権はありませんよ」
「そうですねー頭が果実の師匠のところにいても同じようなもんですもんねー」
グサッ
「ゲロッ」
凍りついている幹部達を尻目に漫才を始める謎の客人達。今度は骸の持っていた三叉の槍が思い切り頭部を貫通している。ように見えるのだが…血は全く出ていない。何だコイツ…。
…ていうかゲロッて何だよ。カエルか。
「……カエル?」
…え?
突然、小さく自分の口から漏れた言葉。はっとして周りを見渡すが、誰にも聞こえていないようだった。何だ、今の違和感?
「ほら、挨拶ぐらいきちんとしなさい」
「子供扱いかよ…えーっと、六道骸の弟子のフランですー。しょうがないけどよろしくお願いしますー」
えっと…とりあえず、今日の出来事。
ヴァリアーにすごく変な奴が居候することになった。