- THANKS CLAP!! -
「風邪と恋人と私」シリーズ
Character.1 レグルス
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朝からなんだか熱っぽいような気はしてたんだけど…やらかした。
新任の聖闘士の任命式、まさにその最中、意識が朦朧として耐えきれずにバッタリ倒れてしまった。
冷やかな眼差しが注がれる中…
『ははっ、シジフォスの話が長かったんだねきっと』
彼だけは持ち前の無邪気さを発揮して―そう取り繕って―私を助けてくれたのは記憶に残った。
「具合が悪いなら無理しちゃだめだよ、ちゃんと言わなきゃ」
「…うん、ありがとう、レグルス…」
獅子宮の私室にあるベッドに横になり、ここまで運んでくれた彼を見上げる。屈託のない笑顔と黄金の聖衣が重なるように視界に入り、少し目が眩んだ。
獅子座の黄金聖闘士で恋人のレグルス。最年少ってこともあってか普段周りからは弟のように可愛がられている。
そう、みんなは弟みたいで可愛いとよく漏らすけど…、私には誰よりも男らしく、逞しく見えるんだ。
「といっても、俺、看病とかよく分からないんだよねー。あっ、そうだ」
零れそうな笑顔を浮かべながら、私の額に掌を乗せてきた。
「ひんやりしてる……」
「でしょ?今日は雪が降りそうなくらい寒いから、聖衣もこのとおり、ほらっ」
君の額に触る前に聖衣に手を乗せていたんだよと言うと、私の頬に聖衣の腕を軽く当てた。
すっかり冷えていて小宇宙を纏わない聖衣に思わず「ひゃっ」と声を出してしまった。
「ご、ごめんビックリさせちゃって!
ほかに何かない?欲しいものとか、してほしいこととか」
笑みは浮かべているけど少しだけ眉間に皺を寄せて、立ち膝でベッドに肘をつきながら私の頭をくしゃくしゃ撫でてくる。覗き込んでくる顔が近くて、熱が伝わってしまいそうな…。
そういえば本来ならば彼だけでも任命式に戻らなければならないだろうと思ったけど、聞くと「病人がそんなこと気にしない!」と笑顔で窘められた。
付け加えるようにして「これは俺が頼んだんだ…」と、小声で呟いた。
「こんな時くらいしかワガママ聞かないよ?」
不安や申し訳なさを微塵も感じさせずに傍に居てくれることが、なんとも心地良くて救われる。
そっと手を伸ばすと、それに気付いたレグルスが私の掌に手を添えて、そのまま指を絡めた。
元気になったら頑張るから、もう少しだけ我儘を言わせて…。
「レグルス、このまま、そばにいて……」
「おおせのとおりに!」
-----THANKS!!-----
外伝を読み直しまくりました。
レグルスはアニメにほぼ出てこないのが寂しいですね、続編期待します。
無印は「お風呂」ですが、LCは「風邪」でいきます。基本、主人公が体調を崩すパターンがほとんどの予定ですので、いっぱい風邪引いてくださいね!←
2016.4.18〜
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