short

□いつの日か
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春には
桜の下で団子を食べよう

夏になれば
釣りをしながら川遊びなんかして

秋には
落ち葉で焼き芋焼いて

冬は
やっぱり雪合戦だな

お前を守るのは俺だろ
そうなると
やっぱりもう一人は欲しいよな


・・・・何だよ
何で笑ってるんだ

(だって平助くん、ほとんど食べ物の話で)

旨いもんを
みんなで食べるのは定石だろ


お前がいて
俺がいて
こいつがいてさ



夢だったんだ

こうして
家族で・・・


あ!
見ろよ!
今、こいつ笑ったぞ!

おぃ、見ろって
こいつ笑ったんだぞ

(見たよ。それに最近よく笑うようになったし)

俺は見たのが初めてなの!

可愛いなぁ、くそぅ


俺が父ちゃんだぞ
すくすく育てよ

大きくなったら
俺がいっぱい遊んでやるからな
剣術も教えてやるからな

(もう、あんまり刀を持ってる人もいないじゃない)

いいんだよ

男は強くないといけないんだ

大事なもんを守れるように
志を貫き通せるように

って俺が言えた義理じゃないけど


(ううん、平助くんは充分強いよ。
 自分の弱さを、脆さを、ちゃんと分かってる人は、心が強い人なんだと思う)


・・・・寝ちゃったな
気持ち良さそうに寝やがって

(平助くんの腕の中が気持ちいいんだね)





俺さ、
名前、考えたんだ

(うん)

『高虎』

(たかとら・・・・)


(素敵な名前ね)

気に入ってくれて、良かった






いつの日か

俺たち家族で

いつまでも



巡り行く季節を見よう








(あ!)
(どうしたの?平助くん)
(こいつおしっこしやがったぁ・・・)









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