戦国無双 夢部屋 (土佐)
□元親と依岡
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光秀の部屋
ガラシャ:「蘭丸!ギン千代!久しぶりなのじゃ!」
立花ギ:「相変わらず元気そうだな、ガラシャ。光秀、見舞いに来てやったぞ。」
蘭丸:「酷い状態だと聞いたんですが、具合はいかがですか?」
光秀:「この通り、元親殿と優璃殿のお陰で一命を取りとめました。彼女の治療のお陰で大分回復してきましたよ。」
元就:「やあ、光秀くん。僕達も見舞いに来たよ。」
光秀:「元就殿、宗茂殿。」
光秀:「蘭丸、貴方が此処へ来たという事は信長公はどんなご様子なのですか?」
蘭丸:「信長公は貴方が討たれたと聞いて大層ご立腹でいらっしゃいます。それで、利家殿に秀吉様とその家臣、福島正則の捕縛命令を出されました。今頃、利家殿は大阪城に着いた頃でしょう。」
元就:「その話し何だけど、秀吉を落としめる為の陰謀が隠されてるという話しなんだけど…。」
元就は事情を全て、蘭丸に説明した。すると、優璃はお茶とお菓子の乗ったワゴンを押して光秀達の元へやってきた。
優璃:「取り込み中でしたらすみません。お茶とお菓子持ってきたのでみんなでどうぞ。」
ガラシャ:「うむ!優璃、いつもすまないのじゃ。」
立花ギ:「?そなたの分はどうした?」
優璃:「私は今からやる事があるので…。皆さんはゆっくりしててください。」
元就:「もしかしてさっきの部品で何か作るのかい?」
優璃:「ええ、そうです。どうしても急いで作ってしまいたいので…。」
元就:「私も見てもいいかな?」
立花宗:「僕も見たいな。」
優璃:「かまいませんけど…、お話はもう済んでるんですか?」
元就:「ああ、心配しなくても大体話し終えてるよ。」
光秀:「ええ、だいたい聞きましたので心配はいりません。後の細かい事はギン千代から聞きますから、気にせず行って下さい。」
優璃:「分かりました。今日はちゃんと家に居るので何かあったら呼んで下さいね。」
光秀:「ええ、そうします。」
お互い笑みを浮かべ、優璃は元就と宗茂を連れ部屋を出た。
蘭丸:「あの…、彼女は一体何者でしょうか?」
立花ギ:「ああ、そういえばお前はまだ知らなかったな。優璃は三ヶ月ほど前に異世界から来た者らしい。」
蘭丸:「異世界…。なるほど…。じゃあ、この奇抜な家は彼女が建てたのですか?」
光秀:「建てたかどうかは知りませんが、この家と土地ごと移動して来たそうですよ。」
蘭丸:「家と土地までって凄いですね…」
光秀:「死神が移動させたそうですよ。」
立花ギ:「死神?優璃がこの世へ来たのは死神の所為なのか?」
光秀:「えっ、ええ。こんな事話してしまって良いのか…。」
立花ギ:「かまわん。優璃は既に友だ。知った所で優璃を悪く扱うつもりはない。」
蘭丸:「私も気になります。勿論、殿下の耳には入れないとは良いきれないけど…。」
光秀:「はぁ…、仕方ないですね…。私も詳しくは良く知らないのですが、優璃殿は一度死んでいるんだそうです。たしか“ですのーと”?とかいう死神が持つ死をもたらす書記という物で事件の解決した直後その書記に自分の名前を記して死んだんだそうです。」
ガラシャ:「んー?父上、なんか聞いた話と少し違う気がするのじゃが……。」
立花ギ:「優璃は自害をしたのか?いやまて、書記に名前を記すのになんか意味でもあるのか?」
蘭丸:「なんかややこしいですね;」
光秀:「すみません; 私ももっとちゃんと本人からはあまり聞いていないもので…。」
一方優璃は元就達が見てる中、もくもくと鴉につける視察カメラを作っていた。
優璃:「(一応、完成だけどテストしてみよう) 与七!与七はいますか!」
与七:「へいへい。」
優璃:「今からこれをテスト…試験したいので小助とこれを付けて、庭を歩いて下さい。腕に付けてばいいですから。」
与七:「もう完成したのか。分かった。行ってくるぜ。」
優璃はノートパソコンを持って、元就と宗茂を居間に来るように即した。パソコンとテレビモニターを繋げ与七と小助が付けてるカメラを確認する。
元就:「ほう、これは凄い!あの小さいカラクリ…かめらという物が外の風景を映しているのか!?」
宗茂:「音もちゃんと聞こえてるね。凄いな…。」
与七:『コラッ!小助!それじゃあ、地面ばっか映っちまうだろ!ちゃんと腕をこうして上げるんだ!』
小助:『イテッ!』
優璃:「“与七、小助聞こえる?”」
小助:『わあ、びっくりした!なんで優璃の声が??』
与七:『うるさい!いちいち驚くなっての!そういう風に作ってあるんだよ。あー、聞こえてるぞー。』
優璃:「“ 試験は成功みたいだね。ありがとう、もう戻って来ていいよー”」
与七:『あいよー』
元就:「驚いたな。連絡まで出来るのか!」
優璃:「クロ、三羽連れて来てくれた?」
クロ:「おう!」
優璃:「大阪への偵察に向くのはどの子とどの子が行ってくれるの?」
クロ:「この夫婦だ。」
優璃:「じゃあ、カメラ付けさせて貰って良い?重くないかな?」
優璃は、二羽の番にカメラを付けさせ早速大阪へ行って貰った。
そこへ、蘭丸がやって来た。
蘭丸:「僕はそろそろお暇させてもらいます。早く信長様に報告しなくてはならないので。」
優璃:「蘭丸さん、鳥は平気せすか?」
蘭丸:「? ええ、嫌いじゃありませんがそれがなにか?」
優璃は一羽の鴉を蘭丸に向けて飛ばした。鴉は蘭丸の肩に止まり、蘭丸はびっくりした状態で固まっている。そして優璃は音の鳴らない笛の首飾りと鴉の餌の巾着袋を蘭丸に渡した。
蘭丸:「これは?」
優璃:「これから急の伝言にはこの子を使うと良いですよ。その方が速いです。今、この子は蘭丸さんの顔を覚えた。名前を付けて呼んで餌をあげれば蘭丸さんを主人と認めます。その子を呼びたい時は笛を鳴らし届け人の名前を言えばちゃんと届けて戻ってくる。」
蘭丸:「なるほど…。でもよろしいのですか?この子を貰ってしまって。」
優璃:「ええ、この先も元親殿や明智様に連絡するのに役立てれるでしょう?」
蘭丸:「ありがたい…いや、とても助かります。」
そうして、蘭丸と一羽はともに安土城へ戻って行った。ちなみに、蘭丸は鴉を満腹丸と名付けた。出会った当初はスリムな体型をしていた満腹丸は蘭丸からたらふく餌を与えられとても可愛がられ、そのお陰でぷくぷくと太っていった。優璃は蘭丸から文を届けに来る満腹丸がどんどん丸々していく様を逆に心配するようになるのだった。