戦国無双 夢部屋3 ( 筑前)

□立花城
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ある日、立花城の城主 立花ギン千代 (宗茂の正室)から宗茂宛に立花城へ戻ってくるよう手紙が届いた。

宗茂はさっそくそらを連れ立花城へ向かった。
宗茂はそらを馬の背に乗せ走り城の前まで着くとそらは立花城を目の前に感嘆な声を上げる。

そら:「わあ…立派なお城…」

見上げてそう言うと宗茂はクスっと笑う。

宗茂:「そう言ってくれるとギン千代も喜ぶんじゃないかな」

椎信:「はあ…」

宗茂:「どうした、椎信」

椎信:「いや、何故そらを連れて参らねばならんのです?私の城に置いて来た方が良いとあれ程申し上げたのに…」

宗茂:「椎信は心配性だな。ちゃんとギン千代には理解して貰いから大丈夫だよ。」

そら:「 ? 」

門をくぐり抜け馬から居り兵に預けると多くの家臣と女中達が迎える。
すると女中の中に槍を持った女性が数名居りその者達がそらを取り囲む。

女中:「お前が噂の女か!」

そら:「噂?」

宗茂:「何の真似だ?」

女中:「宗茂様はお下がり下さい。この者の噂は聞いて居ります。ギン千代様が居られながら何処の馬の骨とも分からぬ女子が宗茂様に取り入り妾になろうなど私は許しません!」

そら:「はあ?何言っちゃってんの?妾?馬鹿じゃない?」
至極迷惑そうに言う。

女中:「なんだと!?」
怒りを露にする女中達。

椎信:「はあ…」

椎信は見てられないという様に額に手を当て悩み出す。

そら:「何処でそんな噂が広まったか知らないけど宗茂様に取り入った記憶なんかまったく無いんだけど」

女中:「貴様!その物言いといい許せぬ!ハアッ!」

女中は怒り任せに槍をそら目掛け振り回す。
しかしそらはその槍を交わすと同時に奪い取り他の攻撃してくる女中の腹に刃のない方を向け峰打ちで簡単に倒してしまった。

女中:「うっ…」

女中達はうずくまり戦闘不能になる。

宗茂:「見事だ」

ギン千代:「一体何の騒ぎだ!」

突然、騒ぎを聞きつけやって来たギン千代は眉間に皺を寄せて現れた。

宗茂:「やあ、久しぶり」

ギン千代:「何が久しぶりだ!全く直ぐほっつき歩くから変な噂を立てられるのだ!たまには自重しろ!」

宗茂は苦笑いする。

ギン千代は椎信から事の一部始終を手紙で知らされており承知していた。
しかし一方的に椎信が手紙を送っているだけでギン千代自身の心中が如何なるものなのか分からない為椎信は心配で仕方がない。

椎信:「ギン千代様」

椎信はギン千代に頭を下げる。

ギン千代:「久しぶりだな椎信。宗茂が世話になった。」

椎信:「滅相もございませぬ。」

ギン千代:「それであの女が宗茂の広いもんか?随分と腕の立つじゃないか」

宗茂:「見てたのか」

そらはギン千代の存在に気付き頭を下げる。

ギン千代:「フン、害が無いのなら承知した。先ず中に入るがいい。」

そらは未だにうずくまっている女中が気になり手を貸してやる。

そら:「ごめん、やり過ぎた。」

女中はそらの態度に拍子抜けし怒りの色が消えていった。

女中:「わ、私こそ済まぬ。」

そら:「ねえ、宗茂様が好きなの?」

女中とギン千代を含める全員の動きが止まる。

女中は顔をりんごの様に真っ赤に染める。

そら:「(あ、図星だった。)」

女中:「そ、そのような事はありません!!」

そう言い女中達は走って逃げて行った。
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