左近と不思議 無人島生活

□水島の生活
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あれから数日、左近は傷も癒えすっかり回復した。
そして時々島を歩き回るものの人の住む家も無ければ誰一人見つからない。
見たのはあの少女だけ。
左近は時々少女を探すが姿を見せない。完全に避けられてる事は理解した。
そしてもう一つ浜辺にある大量の舟とその荷物。
左近は暇つぶしに舟の荷物を物色しては家に持ち帰っている。
戦国の世に無い物が沢山あり訳が分からない物ばかりだが書物やそこで知った珍しい日用品の数々を持ち帰っている。
その中にあの少女に宛てた手紙と思われる物が数々見つかった。
その中に悪口の書かれた物がほとんどだが、中にその少女を心から心配している物があった。
左近は字が違えど読めた。その手紙だけは破いて捨てず大事に仕舞った。
何故なら唯一の同じ島の住人であり命の恩人。それに左近はこんなに自分を避け続けるのに救ってくれた彼女の事が気になって仕方が無かった。
毎日、どうしたら彼女は自分の前に逃げず現れてくれるのかずーっと考えていた。


ある朝、左近は今日こそ少女を探し出そうと決心を固めた。
そしてついにその時が来た。

ユリは丁度川沿いからどんどん山の奥へ歩いている。
左近は息を潜めて気付かれないよう後をついて行く。
すると洞窟がありユリは中へ灯りもなしに慣れた様に進んで行く。
すると洞窟の奥へ歩いてる途中に泉が湧き出ていてユリはそこで足が止まった。
するとユリは左近に全く気付かず着物の帯に手を掛け繍でいく。真っ裸になった彼女はそのまま泉に飛び込み気持ち良さそうに泳いでいる。
左近は不覚にも彼女に釘つけにされその光景を見る。

濡れた髪の隙間から紅玉のような紅い目が見えた。

左近:「綺麗だ・・」

左近は思わず息を飲み囁いた。そして胸の奥から熱い感情が生まれしばらくしてユリが泉からあがると左近は勢いよく彼女に襲いかかりユリを組み敷いた。

左近:「やっと捕まえたぜお嬢さん」

左近はニヤリとユリの顔を見つめる。
ユリはあまりの突然の出来事に瞠目し言葉を発さない口をパクパクさせている。

左近:「ずっと探してたんだ。酷い事はしねー。怖がらねーでくれ」

左近はユリの体を優しく起こし着物を丁寧に着せてやろうとすると背中に無数の古い傷跡に手が止まった。

左近:「なあ…あんたこの傷跡誰にヤられたんだ?」

ユリ:「・・・?」コテン?

左近が真剣な表情で聞くがユリは自分の背中に傷跡が残っている事を知らない為小首を傾ける。

左近:「わかんねーのかい?」

左近は苦笑いしつつユリに丁寧に着物を着せた。
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