左近と不思議 無人島生活

□お勉強
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あれから左近はユリを抱いていない。と言っても一週間だが、ユリの恥じらいのない行動や生活を改め教育していく事にした。
まず、男と女の立場や作法、言葉や文字などをユリの負担にならない程度に教えている。
だが左近の教えれる文字は戦国時代の古い文字。
もしこの島に誰かが来て文字を書くハメにでもなったらちょっとした問題になる事間違いないだろう。
そして左近も舟に乗って贈られて来た書物やら衣類に食料事情を見るからに別世界へ来てしまったと実感している。
よって、左近も自ら文字やこちらの進んだ知識を学び勉学に励んでいた。

左近が作った木の机と椅子に座り贈られて来たノートと本、鉛筆やペンを持ち、二人は無言でもくもくと勉強していた。

左近:「・・・」

ユリ:「・・・」

左近は現代文字と文章について自ら筆ではなくシャーペンを使い、これまで知らないカタカナなどを含み書き覚えていたため既に現代の書物は辞書を使いこなしながら読み解いていた。
一方ユリは左近に渡された漢字の問題集を解いている。そして別にそれらを戦国の文字に直し書いていた。
既に二人は戦国の時代の暮らしも現代の暮らしも適応出来る様になりつつある。
午後の勉強を終えると左近とユリは籠を持ち左近は刀と短刀を持つと外へ出掛けて行った。

ユリ:「左近様?」

左近:「ん?」

ユリ:「今日は何方に行くのですか?」

左近:「そうだな・・今日は少し登ってみるか?」

左近はユリの手を繋ぎながらにっこりと答えると

ユリ:「はい」

ユリもにっこりと笑みを返しながら返事をした。
ユリは左近から言葉や文字を教わって以来、まともに会話するようになってきた。
そして左近もユリが自ら自分に話し掛けてくれることが何より嬉しかった。もう左近から逃げることも嫌がる事もない。

こうして二人は時に勉学や書物を読んだり時に左近から武芸を教わったり、散歩したり気ままに暮らすのだった。
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