戦国無双 夢部屋 (土佐)

□再会
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孫一と優璃が大阪の城下町を散歩している中で、優璃はいろんなお店を見てどんな物がどんな価格で売られそして人々の話しをあちこち聞きながら歩いていた。
この時代ならではの変わった商売にも興味深く見ていた。
孫一はそんな優璃が面白い反面変わった女だと思った。

そして反物屋から竹細工のお店に鍛冶屋。
優璃は鍛冶屋に入るなり鍛冶職人を捕まえては話に夢中になっていた。

主人:「近ごろ山賊やらが増えたせいか・・護身用に安い小刀や包丁を購入する客も増えてるよ。お嬢さんも一つ護身用にどうだ?」

優璃:「そうですね・・。ところであそこの刀?剣? だけ違うのは異国の物ですか?」

優璃は奥の棚に立て掛けられた十字架の印の付いた剣について尋ねた。

孫一:「ほお・・珍しいな・・あの形の刀を持つのは立花ぐらいだろうに」

主人:「ええ、ある日誰かがこの剣を置いて行ったみたいで未だに持ち主も買いてもつかず困っているんですよ」

優璃はそーっと剣に触れようとした瞬間にバチバチッと優璃が触れるのを拒否するように弾かれた。
それを見ていた主人と孫一が驚き優璃に走り寄った。

孫一:「おい!大丈夫か!?」

主人:「お嬢さん!大丈夫かい!?」

優璃:「(・・・)大丈夫です。ところでこの剣はいつ頃から置いてあったんでしょうか?」

主人:「えーっと・・確か・・半年ぐらい前だったかなあ・・」

優璃:「そうですか・・。ならこの剣下さい。」

主人:「え!?」

孫一:「おいおい優璃ちゃん、その剣触れないのにどうするんだ!?正気か?」

優璃:「触れないんで孫一さん代わりに大阪城まで持ってって貰えませんか?そしたら後は保長に頼みますから・・。」

孫一:「いや・・待って俺は平気なのか?」

孫一は恐る恐る剣に近付き手でそーっと触れる。

優璃:「・・・」

孫一:「・・・?んん?平気だ・・。」

優璃:「私が思うには孫一さんやこの世の人は触れるんじゃないですか?」

孫一:「ああ、そういう事だったのか・・」

こうして優璃は剣を引き取る事にし二人は大阪城へ戻る事にした。

帰り道

孫一:「なあ、優璃ちゃん」

優璃:「何ですか?」

孫一:「何でこの剣に興味持ったんだ?」

優璃:「拒絶されて悔しかったからですよ。」

孫一:「悔しい?」

優璃:「はい。」

孫一:「それだけか?」

優璃:「それだけですけど・・?」

孫一:「ふーん・・」

優璃:「なんか疑ってます?」

孫一:「いや疑うっていうより今の理由だけじゃ普通納得しねーぜ?本当はその剣の正体知ってんじゃねーのかなあ・・と思っちゃったりなんかして・・?」

優璃:「へ〜・・孫一さんって意外と勘が良いんですね」

孫一:「なに?って事は当たってんのか?」

優璃:「当たってはないですけど・・私がこっちの世界に来る前にこの剣と似た物を持つ知り合いがいるんです。ただの偶然にしてはと思い気になったので・・」
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