戦国無双 夢部屋 (土佐)

□混沌
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翌朝、優璃、元親はねね達を連れ、高知城へと向かった。奈半利から高知城までは馬を走らせ約4時間程掛かる。ねね達は優璃が作った馬車に入れられ中には見張りの忍びが2人乗っている。
元親がねね達を城へ護送するのは、豊臣側がねねの帰りが遅い事に気づき、ねねを探す為、兵か忍びが再び土佐を訪れるに違いない。そうなったら、もし優璃の家に気づいたら怪しむ事に違いない。なんにしろ光秀もガラシャも居る家に豊臣の兵や忍びを近づけさせる訳にはいかないと判断した為である。優璃もこの事は聞かずとも承知だが、依岡が豊臣の捕虜となり酷い拷問を受けた事に激怒しているだろう、元親の城の部下や家臣のいる元にねね達を連れて行けばねね達にも依岡と同じ目に合わせようとする輩がいるのでは?と懸念している。戦国の世に拷問は当たり前の様に行っている。この世界も同じ、ねねがそんな酷い拷問を受ける事になったらいくら敵でも同じ女として心が痛むのである。優璃は複雑な心境で馬を走らせた。


高知城に到着

元親の部下・家臣:「「お帰りなさいませ、殿」」

信親:「父上!」

元親:「信親」

信親:「お帰りなさいませ、父上。こちらの方はもしや?」

元親:「光秀を救ってくれた者だ。優璃、息子の信親だ。」

優璃:「はじめまして、駒欄 優璃です。」ペコっと会釈をする。

信親:「ようこそおいで下さった。私は長宗我部元親が嫡男、長宗我部信親でございます。どうぞ中へ!」

と優璃を中へ即す。

優璃:「元親殿、あの者達は?」

元親:「心配はいらない。ねねは座敷牢に入れておくだけだ。他の手下どもは牢に入れる。勿論、部下達には手出しはさせん。」

優璃:「それを聞いて少しホッとしました。後で、ねねさんにお会いしても?」

信親:「会ってどうなさるのです?」

優璃:「どうもしません。ただ個人的に話してみたいだけです。いけませんか?」

元親:「構わない。だが、ねねは手練れの忍び。油断はするな。」

優璃:「勿論、心得ています。」


暫く、休息を取ってから優璃は1人でねねの居る座敷牢へ行った。
その間、信親は心配そうに

信親:「父上、大丈夫なんでしょうか?」

元親:「心配はいらない。ああ見えてねねを捕縛した女だ。みすみす逃がすような事はしない。」

信親:「なら良いのですが…。」

元親:「随分と気に掛けているな。あの女が気に入ったか?」

信親:「!ちっ、違います!父上!あの方をお気に召されたのは父上の方ではないですか!?ですから私は…」

立花ギ:「誰がお気に召したって?」

立花宗:「やあ、お邪魔するよ。」

元就:「その様子だと恋話でもしてたのかい?」

立花ギ:「呑気な連中だ」

信親:「いっ、何時の間にいらしたのですか!?」

立花ギ:「さっきだ。光秀が無事だったと聞いて駆けつけて来てやったんだが、何処にいる?」

立花宗:「すみません;どうしてもって聞かないもんで…;」

元親:「無事だが此処にはいない。」

立花ギ:「居ないだと!?元就!!貴様の情報は嘘だったのか!?」

元就:「おかしいですねぇ…; 情報では確かに元親の所に居ると聞いたんですが…」

すると後ろから優璃が現れ

優璃:「お取り込み中すみません。元親、フクから報告が届きまして…。」

立花ギ:「(誰だ?)」
立花宗:「(さあ?でも可愛いね。グホッ)」⇦肘鉄喰らった。
元就:「(あの子が恋話の子かな?確かに可愛い。)」

優璃:「信長公から直ぐ秀吉殿と明智様を射った家臣の捕縛命令が出されたそうです。命令を受けたのは前田利家殿だそうです。あと蘭丸っていう人が明日あたり元親殿に会いに来るそうですよ。明智様の生死の確認に出されたそうです。」

元親:「そうか。依岡の件についての報告は無かったか?」

優璃:「依岡殿については今、豊臣軍の中で口論になってるそうです。意見が二つに割れてるみたいですよ。此方に帰すか帰さないかで…。」

元親は眉間に皺をよせて「そうか…。」と返事をした。

優璃:「それで、 この方達は?」

立花ギ:「私は九州を統率している、立花家の当主の立花ギン千代だ。」

立花宗:「私はその夫の宗茂。よろしく。」

元就:「私は毛利元就。中国の大名だよ。」

優璃:「そうでしたか。私は駒欄 優璃です。」ペコっとお辞儀をした。

元就:「いや〜、それにしても君凄いね!元親君、この子は君んとこの忍びか何かかい?」

立花ギ:「忍びには見えないが」

元親:「優璃は異世界から来た医者だ。」

立花ギ・宗:「「異世界から来た医者??」」

元就:「医者だとして、どうやって先ほどの情報を得るんだい?風魔や徳川の忍びでも信長公の情報を得るのはなかなか難しいはず…。」

元親:「情報は鴉が運んで来る。」

元就:「鴉が?それは興味深いなあ。」

立花ギ:「そんな事はどうでもいい!それより光秀とガラシャは何処にいるのだ!!」

優璃:「うちにいますけど」

立花ギ・宗茂・元就:「「「 ええっ!?」」」

優璃:「お二人のお友達ですか?」

立花ギ:「ああ、我々は光秀とガラシャの友だ…!〃」⇦照れてる。

優璃:「そうですか、ならお会いになれば2人ともお喜びになるでしょう。」
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