戦国無双 夢部屋 (土佐)

□帰国
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翌朝、優璃達は安土城を発った。
港へ到着し船へ乗り込むと何故か兼続と幸村も乗り込んできた。

三成:「お前達何の真似だ?」

見送りに来た三成が顔をしかめて兼続と幸村に言う。

兼続:「私と幸村は信玄公と謙信公から許可を得ているのだ。元親殿!我々も一緒に同行する事を許して欲しい!」

幸村:「すみません、なんか…; 」

元親達は二人がどうせ優璃の暮らしを見てみたいという興味心で無理矢理許可を得て来たんだろうと分かった。
一方優璃はそれだけじゃなく自分の監視も含まれている事に気づく。初対面での手厚い好意の裏には必ず警戒の目がある事を優璃は知っている。しかし、だからといってどうこうする訳でもなく優璃も彼等の様子を見ている。
元親は一度、優璃を見ると優璃は変わりに口を開く。

優璃:「同行の理由は私の監視ですか?」

図星を突かれた二人は言葉に詰まる。

立花ギ:「何!?優璃が何故貴様ら何かに監視されなければならんのだ!」

宗茂:「ギン千代、おさえて。」

優璃:「別に構いませんよ。」

優璃は特に気にとめる事なく了承して船内へ荷物を置きに行った。

元親:「だ、そうだ。どうせ優璃の暮らしを見るため家まで行くつもりだろうが、珍しさにはしゃいで優璃を困らせる事だけはするな。」

兼続:「むっ……そんな幼稚な事はせぬ!」

幸村:「あの…そんなに珍しい暮らしをなさっているのですか?」

元就:「それは見てのお楽しみとしておいた方がいい。実際、私も驚いたからね。」

三成は彼等の会話を聞いて実際に自分も行きたかったが、兼続達に先越されイライラしていた。後で隣にいる左近に八つ当たりする事になる。

優璃達は見送り組の三成達に別れを告げ出航した。

船内では清正と政則は一緒に海を眺めながら寛いでおり、元親も船の先頭に立ち三味線を弾いている。その側に依岡もいる。
昼の太陽の日差しが強いので、優璃はあまり外に出たくはなく、船内で再び元就と将棋をさしていた。それを興味津々に立花夫妻と兼続と幸村が見ている。
勝負は優璃が余裕があるのでわざと王将を取らず延長させている。

兼続:「む?優璃、王手をかけないのは何故だ?」

優璃:「……特に理由はありません。」

元就:「やれやれ; 僕は毎回優璃ちゃんに遊ばれちゃうんだよなあ; けど…今回は僕も簡単には負けないよ?」

それを聞いて優璃は楽しそうに笑みを見せる。

宗茂:「元就殿の攻めは非の打ち所がないはずなのに、優璃ちゃんは上手くかわしてるね。」

幸村:「ええ、とても勉強になります。」

優璃は攻める振りはしているものの王将にはまったく手をつけず、結局元就も王将を取れず対局は引き分けとなったが、元就にしてみれば負け同然の結果だった。
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